世界はすでに破綻しているのか?

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集英社 藤井様より献本御礼。
「破綻」というと企業特有のモノなのかと思っている方もいそうだが、実際に日本でも2006年に北海道夕張市が財政破綻をしたことにより、地方自治体でも財政破綻の危険性がでたところ、あるいは「財政危機宣言」を出した所もある。
ちなみに財政破綻は地方や都市ばかりではなく、国家としても「デフォルト(債務不履行)」で財政破綻をきたしてしまった国もある。これについては第1章で詳しく述べるのだが、国の破綻によって世界、もしくはその国に生きる人々がどのように変容していったのか、本書はそのことについて取り上げている。

第1章「国家財政破綻、人はどう生き延びたのか?」
デフォルトを宣言した国は、本書の序章の最後にてリストアップされている。第二次世界大戦の終わった1945年以降を表しているのだが、全部で59カ国挙げられている。しかもその中には日本も挙げられている。国内債務がデフォルトを喫してしまったのは1946年~52年ことで、その時は円の切り替えと預金封鎖が行われたことにより、デフォルトが起こってしまったのだという。
国家として財政破綻を喫した国は数多くあるのだが、そこから立ち直るためにどうしたのか、本章では1998年にデフォルトとなったロシア、さらには財政破綻ではないのだが、「アジア通貨危機」に見回れたタイや韓国、そして2001年にデフォルトとなったアルゼンチンについての事例を取り上げられている。

第2章「ユーロ圏危機に学ぶ「生き延びるヒント」」
「ユーロ圏危機」の発端となったのはギリシャにおける「ソブリンリスク」と呼ばれる事態である。それがヨーロッパ大陸全土に発展していた。その一つとしてスペインが挙げられる。スペインが財政危機を迎えたのは2012年の頃である。ちょうど「ソブリンリスク」が2009年秋なので2年ほどかかってヨーロッパ各地へと広がったという形になる。著者は2008年に欧州各地に移住した経験から財政危機によってどのように生きたのかを体験している。もちろん本章にて体験談をつづっている。

第3章「デトロイトに見る、アメリカの未来」
財政破綻の波は経済大国アメリカにもやってきた。それは2013年の7月に自動車工業として栄えた都市・デトロイトが「チャプター9」と呼ばれる連邦破産法9条を適用し、財政破綻を宣言した。その原因は日本・欧州各国の自動車産業の成長による、アメリカの自動車産業の衰退があった。その衰退に関連仕手かどうかは不明だが、元々デトロイトは犯罪が多発しており、暴動でも死亡事件になることもあった。その相互反応がたたって、財政は緩やかに悪化、市民にとっても住みづらい都市になってしまった。しかし財政破綻となった後の市民の反応は意外にも「楽になった」のだという。

財政破綻は国家にとって屈辱的な事であるのだが、実際に国民・市民たちはどう受け止められたのだろうか。著者自身も財政危機にさらされた場所で住んでその風、考え方はどうなのだろうか。日本でもそういった財政破綻の声があるのだが、もしも「財政破綻」となったときにどうなるのか、そして私たちはどうしたらよいのか、その参考となる一冊である。

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