どうやって社員が会社を変えたのか―企業変革ドキュメンタリー

自分を変えるのは常に自分であると同じように、会社を変えるためには常に会社であり、かつ社員である。その言葉を知っていても、実際に実行している人、会社は少ない。もっとも会社は「組織」のかたまりである分、意思統一をはかる必要があるため、時間がかかり、かつ思うようにうまく行かないという部分がある。その要因として「あるべき論」と言うのがあり、実際に足かせとなったケースが多い。本書は実際に企業変革を行った事をつづりながら、実際に企業変革を行うにはどうするべきかを説いている。

第一章「なぜ会社は変われないのか」
会社が変われない、というよりも「変わろうとしない」理由なのかも知れない。それは最初にも書いたように「あるべき論」と「押しつけ」というのがある。特に企業変革を行おうとすると、どのようにするのかわからない企業、あるいは間違った解釈でやろうとする方々に見られる。「押しつけ」を行うと、押しつけられた側は「やらされている」感覚に陥り、本当の意味で会社を変えることができない。もっとも「変わる」というのは自主性をもって行うものであるという。

第二章「大企業病を克服せよ」
大企業は安定と言われているが、実は大企業こそとんでもない病が蔓延している。それが「大企業病」である。大企業病とは、

「大企業に顕著とされる,経営上の弊害行動の総称。責任所在の曖昧(あいまい)さ,意思疎通の不足,意思決定の遅さ,融通のなさ,現場の軽視,常識の欠如など。また,そのような弊害行動に対する危機感の欠如もさす」「大辞林 第三版」より)

とある。この状態では企業変革を行おうにもうまく行かない。その場合どのように変革を行えばよいのか。それは企業全体から取りかかるよりも、大企業の中の一組織から変革していくと良いという。それは「温度差」をあえてつくることによって、風穴をあけることができる。そして誰でも入れる雰囲気をつくることによってじわじわと改革の波を広げることができる。

第三章「社員が自ら考えて会社を変えていく」
企業を変えていくためには社員一人一人が意識を持ち、行動をしていく必要がある。もちろん自発的に取り組むにも限界があり、エネルギーのあるところから発し、それが組織全体に伝搬していく。そして目標や目的を共有し、社員たちが行動していくことによって企業は変わっていく。

第四章「驚異的成果を生むマネジメントの神髄」
しかし、変わっていくにつれて現状維持を図っていく人、さらには既得権益を守りたい人たちが変わる事への壁として襲いかかる。もちろん変わる中でも軋轢が生じる。もちろんその軋轢や抵抗勢力を超えるほどの「本気」を見せなければ変わることができない。

個人もそうだが、企業も思いが強ければ強いほど、人が多ければ多いほど変わることができる。もちろん変化や改革が伴わなければ衰退していくし、淘汰されていってしまう。変化や改革は必要なことであるのだが、それを行うには生半可では難しい。だからといって「難しい」と言って、行動しないのはだめで、難しくても課題を一つ一つクリアしていけば変わることができる。

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