キリスト教入門

キリスト教は私自身小さい頃に関わりがあった。保育園のころは「プロテスタント」の信仰があったため、キリスト教にちなんだ行事も多々行われた。もちろん、活動の一つ一つにキリスト教の儀礼も行われる。

小学校に入ってから、キリスト教の信仰はなくなった。あれからもう20年以上の月日が流れるのだが、今一度学び直そうと考えている。本書はキリスト教の成立から、仕組みに至るまでについて「入門編」として紹介している。

第1章「ユダヤ教とキリスト教」
キリスト教の聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」がある。その一方でキリスト教以前に成立したユダヤ教は「旧約聖書」のみが聖典となっているが、呼び名も「旧約」は使われない。
しかしユダヤ教からキリスト教が引き継いだのは聖書ばかりではなく、「唯一神信仰」や「契約思想」「終末論」などが挙げられる。

第2章「ナザレのイエス」
元々「イエス・キリスト」の呼び名は「ナザレのイエス」と呼ばれる。「ナザレ」というのは現在のイスラエルにある町の名前を指す。そのイエスが生まれる前後で「紀元」として使われているのは有名である。

第3章「キリスト教の成立」
キリスト教の教会では毎週日曜日に礼拝が行われるのだが、その理由はイエスの復活した曜日が「日曜日」だったことが挙げられる。そのイエスの弟子であるパウロはキリスト教を成立させ、長きにわたり伝道旅行を行ったことにより広がりを見せるようになったのだが、これについては諸説存在する。

第4章「キリスト教の発展―キリスト教の西と東―」
キリスト教の発展はすんなりいったわけではなかった。当時隆盛を極めていたローマ帝国では当初キリスト教を忌避し、迫害していったという。しかし、コンスタンティヌス大帝により、キリスト教を公認するようになってから、国そのものがキリスト教の宗教を持つことになった。

第5章「ローマ・カトリック教会」
現在フランシスコが在位しているローマ教皇の座だが、そもそもの始まりは西暦33年あたりにペトロが在位してからなので、2000年近くに及ぶ。その歴史の中で西洋史の中核をなしたり、宗教的ないざこざに巻き込まれたりすることもあった(それによる対立教皇ができたこともあった)。そして本章では20世紀以降のローマ・カトリックの中核をなした「第二バチカン公会議」も取り上げている。

第6章「東方正教会」
「東方正教会」はロシアをはじめとした東ヨーロッパ、さらにはエジプトなどの国々が信仰しているキリスト教の一つである。元々はギリシャから生まれた宗教であり、それぞれの国にて独自の「正教」を育んだという特色が存在する。また、この東方正教会では政治や民族主義に絡んだ問題があるのも特色の一つとしてある。

第7章「宗教改革とプロテスタント教会」
プロテスタントは簡単に言えば「抗議する者」であり、宗教改革によってできた宗派である。成立当時のローマ・カトリックは権力が非常に強く、そのせいもあって腐敗していた。その腐敗に抵抗して起こったのが宗教改革である。

キリスト教は西洋諸国で深く信仰しており、日本をはじめとしたアジア諸国でも信仰している国は存在する。そのキリスト教を知ることは世界を理解することの一つにもなるのだから、本書はキリスト教だけではなく、世界の歴史を知ることの一つとして挙げられる。