学校で教えてくれない音楽

私自身小中高と音楽をやっていたこともあり、音楽は得意だった。しかし人によっては「音楽は苦手」と言う人も少なくなかった。おそらく音楽の授業で自分が音感が良くない、「やらされ感」があって音楽が嫌いになってしまった、など理由は様々である。

しかし本当のところ、音楽は楽しいものである。その音楽の楽しさをどのようにして伝えるか、本書はそのことについて実践的に取り上げている。

1.「音を出す」
楽器は音を出すものが難しいものもあれば、簡単なものもある。簡単なものの中には叩くだけで音が出るような楽器もある。実際に体験をしてみると音が出ることに不思議さを覚え、叩き続けて行くうちに段々と楽器を演奏するのが面白くなる。

2.「うたってみる」
次は声を出して歌ってみる。声を出すのは楽器で演奏するより簡単なのだが、人によっては声を出すことがおっくうになっているのだという。その「おっくう」を解きほぐすための「発声練習」をすることにある。そして「音痴」という概念をなくし、とにかく声を出し、歌うことが大切である事を指摘している。

3.「学校じゃないところの音楽」
学校じゃないところで行う音楽とはいったい何なのか。そのなかで、本章で行っているものとして「音遊びの会」を取り上げている。その「音遊びの会」の模様について取り上げている。

4.「学校じゃないところで教わった音楽」
その「音遊びの会」を体験した方々の中には「音楽嫌い」の方も少なくない。その方々も「音遊びの会」を通じてどのようなものを得られたのだろうか。著者自身も元々音楽嫌いだったと言うのもあって、音遊びの会を体験してどのようなものを得て、今の仕事につながっていったのか、そのことについて取り上げている。

私自身12年間、吹奏楽・オーケストラで音楽に関わってきた。そのため自分自身は音楽に対して人一倍思いが込められている。その一方で音楽そのものが苦手な方、興味が無い方も少なくない。その方々がいると言うこと、そしてその方々に対してどのようにして音楽に興味を示してくれるのか、そのことについて考えさせられる一冊だった。