桜の咲かない季節

春は「桜」の季節と言われている。昨日の温かさから本州ではもうそろそろ見頃と言われているが、故郷の北海道ではゴールデンウィークが見頃と言われている。

そういった「桜」の季節になると花が咲くような出来事がある。「桜」に因むと大学合格の「サクラサク」と言うのもあれば恋に芽生える「恋花」の季節である。本書は後者に該当するような一冊である。

とあるカメラマンはいつも占い師の所にいた。なぜいつも占い師の所にいるのか、理由は2つあった。一つは占い師が出す不幸の予言を聞くこと、そしてもう一つはカメラマンがその占い師を放って置くことができないから、もっと言うと「気がある」からであったからだ。

不幸の予言を的中させないためにカメラマンは5つの謎を解決するために奔走したのだが、そこで待ち受けている苦難と恋の行方は、ミステリーのように見えて恋愛小説のような感じがあり、読んだ後の感覚としては心温まったようなものだった。