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2015年4月

マキノ雅弘―映画という祭り

コアな日本映画ファンであれば「マキノ雅弘」という名をご存じだろう。「マキノ雅弘」は「日本映画の父」であるマキノ省三(牧野省三)の息子であり、戦前から戦後にかけて261本もの映画作品を監督してきた(しかし応援監督や共同監督もあるため実際の数は定かでは無い)。 現在の日本映画史の根幹を担ってきたマキノ家、そしてマキノ雅弘が残した映画の数々には何が残ったのか、本書はそのことについて取り上げている。 第一 […]

阪急 英国フェアの舞台裏

百貨店では色々なフェア(催事)が行われている。中には百貨店単位で「そこならでは」のフェアも開催される。 本書は大阪市中心部にある「阪急百貨店 阪急うめだ本店」のフェアとして「阪急英国フェア」を取りあげている。 第1章「英国フェアの10年 プレイバック」 「阪急英国フェア」は、 「この阪急うめだ本店の顔ともいえるイベントが、1970年に「英国伝統王室展」として始まり、2013年で46回目となる「英国 […]

昭和天皇のごはん

明日4月29日は「昭和の日」である。この日はかつて「みどりの日」と呼ばれ、昭和の頃には「天皇誕生日」と呼ばれた。 そう、4月29日は昭和天皇の誕生日である。昭和天皇は1901年4月29日にご生誕し、1989年に1月7日に崩御された。 昭和天皇が生誕し、来年でちょうど115年になるが、昨年8月には昭和天皇の公式記録となる「昭和天皇実録」が刊行され、現時点で第一巻と第二巻が市販されている。 その「昭和 […]

踊る昭和歌謡―リズムからみる大衆音楽

今となってはJ-POP言われている日本の音楽であるが、かつては「歌謡曲」と呼ばれていた時期があった。その歌謡曲もただ歌うだけではなく、ダンスとともに歌われた(もちろんジャンルにもよるが)。 ダンスというと、色々な「リズム」が存在するのだが、本書はその「リズム」の視点から昭和歌謡の歴史について紐解いた一冊である。 第一章「ダンスホールとジャズの戦前戦後―占領期1952年まで」 大東亜戦争、もとい日中 […]

習慣の力 The Power of Habit

「習慣」はビジネスを行う上で重要な要素の一つである。新しいメソッドを知ったとして、それを血肉にしていくには、実践することを日々行う形として「習慣化」していくことにある。 しかし習慣を身に着けるにしても、どういったことを行ったらよいのかわからない、という方もいる。もっと言うと、いったん「習慣」を身に着けたとしても、自分自身の意志の弱さが仇となり定着しない、ということも往々にしてある。その「習慣」をい […]

わたしをさがして

「兄弟姉妹」 この関係は血のつながる・つながらないに関わらず近い存在である。しかし近すぎるあまりに忌み嫌う、そういう傾向に陥ることも往々にしてある。ただ距離が近いということから親近感も存在する。その相対する感情が交錯し、葛藤が生まれる。 本書は姉妹の物語であるが、才色兼備の姉が失踪した姉を探すために主人公は旅に出た。姉探しの旅なのだが、同時に「自分探しの旅」でもあった。その度の最中、自分自身の持っ […]

凡人起業―「カリスマ経営者」は見習うな!

10数年前の「起業ブーム」とまではいかないものの、フリーランスになったり、独立開業をしたり、あるいは会社を興したりする人は後を絶たない。それだけ起業に対する門戸が広くなってきている証拠である。 しかしいざ起業をするとなると尻込みをしてしまう人も少なくない。理由は様々であるが、カリスマ経営者を見て「この経営者にはなれない」と考えてしまうためである。私自身、起業をされている方を何人もお会いしたことがあ […]

モラル・ハラスメントの心理構造

「ハラスメント」には様々なものがあるのだが、その中でも本書では「モラル・ハラスメント(通称:モラハラ)」について取り上げている。「モラル・ハラスメント」とは、 「モラルによる精神的な暴力、嫌がらせのこと。俗語としてモラハラと略すこともある」(Wikipediaより) とあり、「あなたのため」ということを言葉に出したり、意識して相手にとって不快なことを行ったりすることにある。しかしセクハラやパワハラ […]

味なしクッキー

私自身「味なしクッキー」を食したことは無いのだが、想像するに後味がパサパサしながら、それでいて粉っぽさが口に残ってしまうのかも知れない。 そういった後味の悪さというか、悪い印象が本書には本のタイトルの通りに表されているのかも知れない。しかも本書は短編集で収録されている全ての作品にて、その悪い結末となっている(もちろんストーリーのパターンが同じというわけではなく)。その「悪い結末」は、著者ならではの […]

君たちはなぜ、怒らないのか~父・大島渚と50の言葉

映画監督・大島渚が2013年に亡くなって2年の月日が経過した。映画ファンであれば「愛のコリーダ」や「御法度」という映画で有名であったということは百も承知なのだが、そうでない方であれば怒る、時として怒鳴るコメンテーターとして有名であった。そういえば戒名は「大喝無量居士(だいかつむりょうこじ、Wikipediaより)」とあるため、「大島渚=怒る」というイメージは定着していると言っても過言ではない。 本 […]