阪急 英国フェアの舞台裏

百貨店では色々なフェア(催事)が行われている。中には百貨店単位で「そこならでは」のフェアも開催される。

本書は大阪市中心部にある「阪急百貨店 阪急うめだ本店」のフェアとして「阪急英国フェア」を取りあげている。

第1章「英国フェアの10年 プレイバック」
「阪急英国フェア」は、

「この阪急うめだ本店の顔ともいえるイベントが、1970年に「英国伝統王室展」として始まり、2013年で46回目となる「英国フェア」です」(p.7より)

とある。今年で英国フェアがスタートして45年の節目を迎えることになる。しかしなぜ「顔」となったのか、そこが気になるところであるのだが、それについて後ほど取りあげるとして、本章では過去10年間の英国フェアを取りあげている。一言で言ってしまえばそれだけなのだが、阪急うめだ本店が「英国フェア」にかける情熱が本章だけでも伝わってくる。というのは、単純に英国産の商品や文化を紹介しているだけではない。英国文化を伝えるために、本場英国から様々な方を招聘し、フェアに参加している所にある。

第2章「英国フェアはこうして作られる」
本章では英国フェアが開催されるまで、フィードバックからリサーチ、企画づくり、輸入、販売促進、デザインなどの観点から取りあげている。

第3章「英国フェアの舞台裏」
英国フェアを開催するにあたり、毎年「テーマ」が挙げられる。そのテーマをもとに、招聘交渉にあたったり、商品のリサーチを行ったりする。しかしその裏には様々な「苦難」が存在した。

第4章「桑原渉と英国フェア」
「阪急うめだ本店の顔」と言える「英国フェア」だが、実は基本1人体制だったという。しかし数年に一度ローテーションで変わるのだという。しかし著者は10年にわたって「英国フェア」を担当したのだという。

第5章「桑原渉の英国フェア出張記」
英国フェアの準備のため、直接英国に行くこともあり、そこで商品輸入や招聘二関する交渉も行われる。その出張についてスタッフブログにて取りあげられているという。そのブログ記事について本章にて転載している。

私は本書に出会うまで「英国フェア」の存在すら知らなかった。本書を読んでみて、英国フェアの存在だけではなく、その醍醐味を知ることができた。ちなみに昨年は「英国フェア」は10月8日~14日まで開催された。今年もおそらく同時期に開始されるかも知れないが、もしそのときに大阪に行くようなことがあったら是非行ってみたいと思う。