京都の路地裏~生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ

「路地裏」というと、私の住んでいる鎌倉にもいくつか存在する。元々北海道に住んでいた私にとっては、「路地裏」がほとんどなく、「路地裏」ならではの文化も知らなかった。そのため鎌倉にすんでいる私に取っては、路地裏を見つけては散歩してみるというのも、鎌倉ならではの楽しみの一つである。

話は変わって本書は京都が舞台であるのだが、鎌倉以上に路地の魅力が多いと言える。本書はその魅力を伝えている。

第一章「京都の路地(ろーじ)」
「路地」と言う言葉は、国語辞典などでは「ろじ」とあるが、本書、もとい京都人の読みとして「ろーじ」と言われている。元々京言葉の特徴として、間延びをした物言いをするものがあるためである。
京都というと東西南北と規則正しい通りをしているように見えて、実はその規則正しいとおりの中に路地が曲がりくねっている箇所もいくつかあるのだという。

第二章「路地裏細道の神さま仏さま」
路地の裏細道には様々な店・スポットが存在する。それらについて本章以降紹介していくわけであるが、本章ではその中でも神社・仏閣と呼ばれる箇所を紹介している。紹介されている神社・仏閣には、鬼門を守る役割を持っていたり、金運祈願として有名であったりとメジャーな所もある。

第三章「路地裏細道の不思議発見」
今度は願掛けのスポットの他にも、歴史的な意義を持つ場所について取り上げられている。京都は何千年もの歴史を紡いできたためか、古より語り継がれている伝説もある。その伝説の所以となったスポットも点在しており、その中には路地裏にあるものもあるのだという。

第四章「路地裏細道の名店案内」
京都ならではの神社・仏閣や歴史的なスポットなど路地裏には存在するのだが、他にも美味しいスポットも存在する。本章では菓子屋を始め、土産物店などを取り上げられている。もっと美味しいものであれば第五章でも語られているが、本章では小腹が空いた時に立ち寄る、京都の路地裏に行った時のお土産として購入した方が良いスポットが紹介されている。

第五章「路地裏細道の美味しい店」
路地裏のお店というとあまり人通りが来ず、なおかつお客さんも少ない印象がある。そのかわり味は美味しく、まさに「知る人ぞ知る」と呼ばれる「穴場」の名店もあるイメージを持ってしまう。
そのイメージ通り、京都の路地裏には美味しい名店が存在する。天ぷらから鮨、京懐石の店があるのだが、中には洋食店もあるので、和食ばかりとは限らないという。

恥ずかしながら私自身京都に行ったのは、高校生の修学旅行の1回だけである。しかし京都には行ってみたい気持ちがあるのだが、名所と呼ばれる所は一通り行ったこともあり、次はどこに行こうか悩んでいた。その中で京都の「知る人ぞ知る」魅力を詰め込んだ本書に出会ったことにより、京都の奥深さを知る事ができたと共に、京都を旅行した時に是非携行したいといえる一冊だった。