シゴトの渋滞学~ラクに効率を上げる時間術

「渋滞学」というと、著者の専門分野であるのだが、元々車などの「渋滞」がいかにして起こるのかを解き明かしているのだが、この「渋滞」は車の専売特許ではない。仕事にしても「渋滞」が起こり、それが残業や時間の無駄が起こってしまう。その「渋滞」を解消するための方法として本書では「個人」「部内」「社内」に分れて方法を提示している。

section1「個人の渋滞、解消します!」
個人における仕事の「渋滞」は例えば、「タスク消化の遅れ」というのがある。「タスク消化」を車の運行に見立てると、それがだんだん遅れに遅れてくると、車の渋滞のようになってしまう。それを解消するためには、車における「車間距離」を取ることが必要になってくる。その車間の距離を取るためには、事前の準備や仕事の取り組み方、さらにはスキマ時間の使い方が大事になってくる。本章ではそのことついての方法を伝授している。

section2「部内の渋滞、解消します!」
今度は部や課などの組織における「渋滞」である。数人がチームになって一つの目標やプロジェクトを達成することがあるのだが、その「渋滞」の解消法には「コミュニケーション」や「リーダーシップ」、「進捗管理」が不可欠であると言う。

section3「社内の渋滞、解消します!」
そして規模は拡大し、会社全体の「渋滞」を解消する所に移る。会社全体の「渋滞」を解消するためには、会社全体を改革していく必要がある。しかしその改革のアプローチはトップダウンの形を取るように思えて、実は社員たちが持ち寄って行うボトムアップの形を取った方が良いという。

仕事にも「渋滞」がある通り、その渋滞をいかにして解消していくのか、それは時間術にしても仕事術にしてもできることはあるのだが、他にも組織や会社になっていくとコミュニケーションやリーダーシップなどの力が大事になっていく。「渋滞」という概念は車に起こる問題のように面、結局の所「人」に帰着する。その「人」によって引き起こす「渋滞」が車に限らずあらゆる所でも起こり、仕事にしても道にしても進んで行く上での「妨げ」になってしまう。長年渋滞を研究してきた著者だからでこそ、その解消法に至ることができた一冊なのかも知れない。