「役に立たない」と思う本こそ買え

私は当ブログを更新している関係からか、月に50冊本を読み、同じくらいの本を買う。本を買う基準は色々とあるのだが、ジャケットが気に入って買うものもあれば、目次や少し中身を見て興味深くなって買うケースもある。ちなみにどのような本を買って読むのかというと、ジャンルはまったく問わず、「自分自身の感性でもって決めている」と言ってもおかしくない。
さて本書である。本書は気象予報士の読書術というよりも、気象予報士でありながら、気象予報に関する会社を3社設立し、成功に導いている方の読書術といえる。

第一章「本は、<好奇心の連鎖>の起爆剤である」
もっとも私も好奇心をくすぐるかどうかも本を選ぶ基準になっている。著者も好奇心でもって本を買うわけだが、著者の趣味には読書の他に「将棋」が上げられる。そのため、本章で取り上げられている本は将棋に関する本が多い。

第二章「本は、<無知の知>から始まり<思考>を紡ぐ」
本を買って読んでいると、自分の知らないものが知る事ができる様になるばかりではなく、自分が知らないことを知る事ができる、いわゆるソクラテスの言う「無知の知」を知る事ができる。
そういった事を知るのは、単純に専門内外問わず色々な本を読むことが大切であるのだが、著者もまた様々な本を読んで、気象に関する思考に結びついているという。ちなみに取り上げられている本は専門である気象を始め、超常現象・原発・陰謀論など様々である。

第三章「乱読は、忘れかけた<人間の本能>を刺激する」
私自身「読書家」「多読家」というよりも、むしろ「乱読家」と呼ばれる方がしっくりとくるあたかも暴飲暴食の如く、様々な本を大量に読むのだから。
しかしその乱読は著者に言わせれば「本能」を刺激し、覚醒させる力を秘めているのだという。その理由として社会思想の本を中心に取り上げながら説明している。

第四章「本は、社会の<共同幻想>を浮き彫りにする」
社会の思想は得体の知れないほど複雑な物になっている。その思想を浮き彫りにするためにも読書は大切な要素である。その理由として本でしか得られない情報を得ることができ、なおかつ考えさせられるヒントもたくさんちりばめられているからである。

第五章「本は、<生と死>の哲学を指南する」
本の中には人の生と死に関わる本も出てくる。大概は哲学の本もあるのだが、科学的に取り上げられた本も数多くある。本章では哲学はもちろんのこと科学や歴史、さらにはスポーツ、宗教などから「生と死」を取り上げた本を紹介している。

著者もジャンル問わずに色々な本を読み、それを本職における血肉としていった。私も現在の仕事の血肉として様々な分野の本を読み、ブログで取り上げられているのだが、まだまだ「読み足りない」という欲求が強いため、これからも読み続けるだろう。本書はそういった乱読・雑読がどうであるかを示している。