すべての神様の十月

「10月」と「神様」の関連性は深い。その理由として10月は別名「神無月」と呼ばれており、諸説あるものの全ての神様が出雲大社に集まるため、それ以外の地域では神様がいなくなってしまうことから表している。ちなみに全ての神様が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれている。

「神様」の存在については宗教によって一人だけか、たくさんいるのか、そして一人もいないなど差異がある。ちなみに日本では神道の考え方が強くあり、「八百万の神」とあるように、ありとあらゆる神様がいる。

本書はその「神様」の人間との関わり合いを描いた短編集である。

本書で出てくる神様は「貧乏神」「福の神」「道祖神」「九十九神」、そして「死神」が登場する。それぞれの「神様」との付き合いによって幸せとは何か、そして神様との付き合いでどう変わっていったのかそれが事細かに描かれている。