新・天文学入門

7月7日といえば言わずもがな「七夕」である。しかし所によっては8月7日としているのもあるが、ここでは一般的に定義されている7月7日で統一する。

この日は曇天・雨天になるケースが多いのだが、晴れるケースもあり、その際には天の川など幻想的な星々を眺めることができる。そういった星々を眺めるためにちょっと頭に入れておきたいものがある。それが「天文学」というものである。しかし「天文学」といっても堅苦しいように思ってしまう方もいるが、本書はその学問の入門書であるため、基礎知識を仕入れることができる。

第1章「わたしたちはどこから来たのだろう」
「天文学」というと宇宙ばかりを見るのではないかと思いがちになってしまうのだが、実際には宇宙でもって生命の起源を辿るということも行っている。具体的に言うと、宇宙には生命の起源となるようなものもあり、なおかつ地球にあるような有機物も存在するという。ちなみにそれらに関しては以前「スリランカの赤い雨 生命は宇宙から飛来するか」という本にて紹介している。

第2章「わたしたちの太陽系と系外惑星系」
今でこそ「水金地火木土天海」という順番で惑星を覚えてくるのだが、かつては「冥王星」も太陽系惑星の一つとして数えられていた。しかし2006年8月以降に冥王星は「準惑星」という括りに入ったため、太陽系から外れることになった。
本章の話に戻るが、その太陽系の概念ができたのは16~17世紀頃、地動説が受け入れられ、様々な太陽系惑星が発見してからのことであり、現在の様な形になったのは20世紀になってからのことである。本章ではその太陽系がいかにして誕生したのか、そして太陽系の外で回っている「系外惑星系(けいがいわくせいけい)」とは何かについて取り上げている。

第3章「進化する星ぼしと元素の起源」
星には自ら光る「恒星」と、その光を受けて輝く「惑星」がある。「恒星」で最も知られているものは「太陽」であるが、夜空の星々の中には恒星も存在する。本章では恒星の中から太陽と星雲についてどのようにして光るのかというメカニズム、さらに星雲の中には、寿命が来てしまい、最期を迎えてしまうものがあり、どのようにして最期を迎えるのかを元素と共に説明している。その説明の中で「元素の起源」も出てきている。

第4章「天の川銀河と生命のふるさと」
7月7日というと本章を読んでおくと良いのかもしれない。「天の川銀河」と呼ばれる数千億個の恒星や惑星、さらにはガス・ダークマター(暗黒物質)が大量に集まり、一種の「銀河」となって集まったものである。その銀河の一つとして「天の川銀河」がある。本章ではその「天の川銀河」がいかにして構成しているのかについて取り上げられている。

第5章「銀河、そして宇宙へ」
前章にて取り上げた「天の川銀河」を始め、宇宙には数多くの銀河が存在する。しかもまだ解明されていないどころか発見すらされていない銀河も存在する。それだけ宇宙はまだまだ謎が多く、無限の可能性を秘めているといっても過言ではない。

私の住んでいるところでは、今は梅雨の時期であるため、空を見ても星々が見えない状況である。天気予報を見ても七夕は梅雨の真っ只中にあり、天の川は見ることはかなわないかもしれない。とはいえ七夕は年に一回ある。曇天でも雨天でも天の川は雲の上で流れている。その天の川が流れる宇宙はどのようなものか、それを学ぶ基礎となるのが本書である。

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