潜在ワーカーが日本を豊かにする―――シニア、主婦(夫)、外国人……多様な働き方が救世主となる

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
「人材不足」「労働力不足」が叫ばれて久しいのだが、そういった不足を補うために「外国人労働者」を増やす話が出てきており、それについて賛否両論がある。しかしその労働力を補うのは何も外国人ばかりではない。本書のサブタイトルにある「シニア」「主婦(夫)」といった人材もまた労働力不足を補う要素の一つである。そういった人々を本書では「潜在ワーカー」と呼んでいるのだが、その「潜在ワーカー」の可能性について本書で指摘している。

第1章「労働力不足に直面する日本」
すでに「労働力不足」は叫ばれており、日本経済にも悪影響を及ぼしている。その要因として少子化と高齢化が挙げられるのだが、それにシフトした経済的な変化が対応できていないことも挙げられるのだが、それを含めた要因が重なり合っているのも挙げられる。
その現実に直面した中で潜在ワーカーをいかにして労働環境に持ってこさせるか、そしてそこにそびえたつ労働基準法の「壁」とは何かについて取り上げている。

第2章「豊かになる個人」
ワーカーとなる個人は多種多様になってきているのだが、そういった方々がなぜ「豊か」なのか、本章ではシニアを登用する企業、主婦(夫)を登用する企業、外国人ワーカーを登用する企業をモデルに取り上げている。

第3章「豊かになる企業」
なぜ企業は「潜在ワーカー」を求めている理由とは何か、それは労働者不足を補うためというよりも、正規雇用であれ、非正規雇用であれ、雇用形態に縛られず、状況に応じてフレキシブルに働くことができ、なおかつ企業によってはその方々ならではの労働力を欲しているのが理由として挙げられる。
そういった潜在ワーカーを積極的に登用することによって、労働者にとっても企業にとっても「Win-Win」の関係を築いていくことが可能になる。本章では人材登用からマネジメントにいたるまでのことについてモデルケースをもとに紹介している。

第4章「新しい働き手にご活躍いただくために」
どんな状況でも「働きたい」という感情を持つ人が多い。そういった「潜在ワーカー」がいたとしても企業によっては対応しきれないところもあれば、本書にてモデルケースで取り上げた企業にもあるようにフレキシブルに対応している企業もある。実際に「潜在ワーカー」たちは「働きたい」人も多いのだが、その理由は「生活のため」でもあれば「生きがいそのもの」「働きがいそのもの」である人もいる。そういった「潜在ワーカー」をいかにして採用し、活躍させていくべきか、それ企業によってさまざまであるが、労働環境の変化が重要になってくる。

かつては「若い男性は仕事場、女性は結婚したら家庭、そして還暦を過ぎたら引退」というのがお決まりだったのだが、その前提は崩壊している。その中で労働環境・考え方の変化は進んでいるのだが、企業はそれに対応しきれているのかと言うと、そう言えない事情も存在する。ではそういった企業がいかにして「潜在ワーカー」を取り込み、人材不足を解消していくのか、そのヒントが本書にある。