考えを整理する技術・伝える方法

人にはいろいろと考えが出てくる。その考えによっては脈略があったりなかったりするものもあれば、思いもよらぬところから出てくるものもある。しかも出てきた考えを見てみると関連性があったりするようなものもある。最も考えが生まれるには膨大な情報があるのだが、その情報をいかにして整理していくのかがカギになってくる。最もビジネス書でも「情報整理術」にまつわる本は数多くある。しかしその情報や考えをいかにして整理し、すっきりとした形で伝えていけばよいのかわからない方もいるのだという。本書はその方々に対して図を扱いながら考えを整理する方法、そして伝える方法について伝授している。

第1章「図を使いこなす極意」
考えを整理したり、伝えたりするツールの中で「図」がある。しかし「図」といっても「ツリー」「フロー」「マトリックス」「ペン」「グラフ」などさまざまである。しかも図によって整理をする用途やケースによって使う図が異なる。本章ではどのようなケースでどのような図を使えば良いのかを示すだけではなく、図を描くため、そして整理しやすい、伝わりやすい図にするためにはどうしたらよいのかを示している。

第2章「考えを整理する」
考えの整理としていろいろなポイントがあり、その整理にしてもケースごとに異なる。これは第1章の図の紹介でも同様に取り上げられているのだが、本章ではそこからさらに突っ込んで、原因や違いなどについて、図の使い方をケーススタディという形式で取り上げている。

第3章「考えを伝える」
考えを整理した後は、上司や取引先、得意先などにいかにして伝えていくのかが課題となる。問題や課題についての情報共有はもちろんのこと、解決策をいかにして導いていけばよいのかのヒントにもなる。本章ではどのようにして伝えてい行けばよいのか、問題の発生した経緯はもちろんのこと、原因がどこにあるのか、そのほかとの関係性はどうなのかなど、様々な観点からどのようにして伝えていったらよいのかを取り上げている。

第4章「解決策を探る」
整理し、伝えることができたら、今度は解決策を練っていく必要がある。原因や伝える箇所が明確になっていくことによって、本章の解決策を見出すことができるようになる。もちろん解決策は一つだけではなく、複数取り上げていき、そのなかでの「最適解」を挙げていくことが必要になる。本章ではその解決策の練り方・探り方について図とともに伝授している。

第5章「解決策を共有する」
解決策ができてきたら、今度は第3章と同じように伝えていく必要がある。伝えていくことにより、解決策を共有でき、組織ぐるみで解決へ導いていくことができるようになる。それを伝えるのにもまた「図」は大事な要素である。本章では図をもってどのように共有していくのか、こちらについても具体的なケースを用いて示している。

考えを整理したり伝えたりしていくためには「図」が必要であることは良く知られているのだが、具体的にどのようにして作っていけばよいのかわからない方も多い。その入門書として本書があるといえる。