逆境の教科書 ピンチをチャンスに変える思考法

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
人には誰しも「逆境」と呼ばれる時がある。その逆境をいかに乗り越えられるか、もしくは尻込みをしてしまうかは逆境に遭遇した人次第であるのだが、その逆境を乗り越えることによって、人は成長することを考えると、何が何でも逆境を乗り越えたくなる。しかしどのようにして逆境を乗り越えたらよいのかわからない方もいる。

そこで本書である。本書の著者はたった一晩で総資産230億円が消えてしまった逆境から乗り越え、復活したというのだが、その経験を生かしてどのようにして逆境を乗り越えてきたのか、そのことについて伝授している。

第1章「逆境は必ずなんとかなる」

「明けない夜はない」「やまない雨はない」

という言葉をよく聞く。これはどんなに悪いことが起こっても、逆境が起こっても必ず光が見え、良くなるということを意味している。さらに言うと、

「神は乗り越えられる試練しか与えない」

という言葉があることから、どんな逆境でも必ず何とかなるのだという。そもそも著者自身も失敗や逆境の連続で、冒頭にも書いたように、多くの人がめったに体験できないような逆境も乗り越えてきたことが何よりの証明である。

第2章「逆境を乗り越える5つのアクション」
逆境を乗り越えるためにどのようなアクションをしていけばよいのかを5つ取り上げている。あるものを買ったり、逆境を細分化したり、そして買ったものをいかに利用したり、そしてどのようなしぐさをしたらよいのかなどが挙げられている。

第3章「逆境のときするべきこと①「自分自身を知る」」
逆境を乗り越えるために、まず何をすべきかというと、著者は「自分自身を知る」ことを挙げている。いきなり逆境を乗り越えようとしてもうまくいかないことが多く、さらに言うと人によってはネガティブな感情・思考でいっぱいになってしまい、行動すらできなくなる人もいる。
逆境を乗り越える前の手始めとして、自分自身に置かれている立場、そしてどのような人間か、そしてどのような変化が必要なのか、それらを見極めるために「知る」事が必要にな。その「自分」を知り、そして味方につけることによって、始めて逆境を乗り越えるための「思考」「行動」をつくるきっかけとなる。

第4章「逆境のときするべきこと②「考え方」」
次は逆境を乗り越えるための「思考」である。逆境は今までの思考では通用しない場合が多い。その通用しない要因として「先入観」や「固定観念」があるのだが、本章ではそれらを外す方法から、逆算方法、他人の頼りにすることについて伝授している。

第5章「逆境のときするべきこと③「行動パターン」」
思考を変化することができたら、今度は行動であるが、まずは行動をしなければ始まらない。しかしその行動もうまくいかないことがあるのだが、そこにも「うまくいかない」ということが「学び」になる。そうしてまた新たな思考を取り入り、行動をカスタマイズしていく。しかし失敗を繰り返すこともあるのだが、自分に向き合い続けながら、行動・思考を変えていくことによってその失敗から脱し、成功パターンを築いていく。そのことによって逆境を乗り越えることができるという。

第6章「逆境を乗り越えた先に広がる世界」
「逆境」はある意味「山」に例えられることがある。山を登るときに様々な苦難や苦しみがある。それを乗り越え、山頂にたどり着いた時には自分自身では想像しえない世界が目に飛び込んでくる。逆境もそれと同じなのかもしれない。逆境を乗り越えた時、自分では想像しえない世界を見ることができ、自分の周囲には見方ができる。そして物事を理解する力もつき、新たにやるべきことが見えてくる。

「逆境」は人を成長するための格好のチャンスである。そのチャンスをいかにしてつかむのか、そして乗り越えることができるのか、そのことを示しているのだが、自分が逆境に思ったとき、そして逆境に立ち向かっていてうまくいかないときには必ず読んでおきたい一冊である。