自分がいなくてもうまくいく仕組み

仕事において「仕組み」を作ることは非常に大切である。実際に会社自体もいろいろな「仕組み」によって成り立っており、それが利益を生み出す構造になっているからである。そのため組織をうまく動かしていくためには「仕組み」をつくることは必須事項ともいえる。
その仕組みをどのように作っていくべきか、そしてそれを育て、動かしていくのか本書はチームマネジメントとしての「仕組み」のあり方について取り上げている。

第1章「自分のコピーを作る」
組織を動かす、仕組みを組み立て、動かすリーダーは1人である。1人であるためにそれを遂行するにも限界がある。そのために自分自身とおなじような役割を担うことができる「コピー」が必要になる。本章ではその「コピー」をいかにして作るのか、本章ではタスクのリストアップや人選などの方法を挙げている。

第2章「理念・ビジョンを共有する」
会社や組織における「仕組み」を組み立てるには、本章のタイトルにある通り理念やビジョンを共有する必要がある。しかしスキルや価値観などまったくと言ってもいいほど異なる人が集まる組織・チーム・会社において、どのようにして共有していくのかが大きな課題として立ちはだかるのだが、本章ではキャッチフレーズなど、具体的な方法などを取り上げている。

第3章「スタッフとの心の距離を縮める」
第2章と関連付けられるのだが、組織の団結を深める、理念・ビジョンを共有しやすくするためには、リーダーとスタッフとの距離を縮めることが大切である。もっと言うと組織を円滑にする、仕組みを進化するためもあれば、社員満足を満たす、ひいては顧客満足を満たすために大切なことである。いわゆる「緊急ではないが重要な要素」として位置づけられるものである。
とはいえどのように縮めていけばよいのか、本章では組織単位というよりも、会社単位における社員教育からリーダーのふるまい、採用活動、制度化などを提示している。

第4章「メールの時代は終わりました」
組織のコミュニケーションの要素として直接会話・電話・メール・チャットなどがある。会社にもよるが直接会話や電話のみを重視しているところもあれば、メールを重視しているところもある。
しかし本章ではメールの役割が終わり、その代わりとなるようなものを使って仕事を円滑にする必要がある。それが何なのかを本章で示しているだけではなく、現在の組織におけるメールや会議の現状も指摘している。

第5章「自分を高める」
最後は仕組みを作り、育てるためにスタッフなど他人などを改革してきて来たのだが、肝心なリーダーとなる自分を改革する方法について取り上げている。自分自身の目標は何か、そしてどのように行動したらよいのか、そのことなどが列挙されている。

会社や組織は「仕組み」によって成り立っているのだが、それは一人では仕事を回すことができない、もしくは限界があることからそうしていると言える。その仕組みをいかにして組み立てるのかわからない方が多いため、本書が存在している。本書をもとにこれから仕組みを作る、あるいは育てていくことによって、自分自身だけではなく、チームを成長することができる。