不可能を可能に――点字の世界を駆けぬける

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日本では世界から見てもハンディを持っている方々にとってやさしい社会と言われているのだが、まだまだ日本でも課題は山積している。もっというとハンディに対する考え方・接し方についても昨年9月にJR川越駅で起こった事件があり、ハンディを抱える方々の接し方に暗い影を落としたことが挙げられる。

話を本書に戻す。デパートや図書館などの建物にはありとあらゆるところに「点字」がある。点字が存在することによって目にハンディを抱える方々が自由に暮らせるような環境を作ることができるのだが、最近では「点字」そのものがデジタル化するような状況になってきた。本書は10代後半から目にハンディを抱え、点字の世界に携わり、なおかつ点字の世界からバリアフリーを目指した方の回顧録である。

第1章「デジタル化、始まる」
元々点字は1825年にフランスに手生まれ、日本でも1890年に盲啞学校の教員が翻案し生まれた。やがて技術の発展に伴い、点字も進化し、コンピュータをもとにして点字を生み出すことができるようになっていった。
このコンピュータが生まれることによって、デジタル化が進み、日本点字図書館でもデジタル化が進み始めた。

第2章「日本点字図書館の軌跡」
日本点字図書館は東京にある高田馬場駅の近くに存在する。誕生したのは大東亜戦争の少し前となる1940年の11月のことで当時は「日本盲人図書館」という名だった。それから戦争を経て図書数も増え、大きくなっていった。著者も図書館に携わったことがあり、図書館の新築などにもかかわっていた。

第3章「点字大好き人間の使命」
著者は長らく点字に携わっていたことから点字の文化を広まるために「日本点字委員会」の結成にもかかわった。また、数多くの分野に点字を扱えるように投票や教育、音楽の世界にも発信できるようにもしたという。

第4章「恐ろしいホームからの転落」
目にハンディを抱える方々にとって最も恐怖なのは電車のホームである。その理由はホームから電車に乗る際にホームから転落する危険性があるということである。そのことによりホームドアから転落したケースもあり、中には死亡したケースもある。

第5章「バリアフリーを目指して」
第4章で取り上げたホームからの転落を防止するためにいくつかの対策が行われている。その一つとして「ホームドアの設置」が挙げられる。最近では山手線でもホームドアが設置され、その前からも地下鉄でも設置されたのだが、設置によってホームからの転落を逓減することができた。
また、現在では道路でよく見かける「点字ブロック」や「音響信号機」の設置についての話も取り上げている。

第6章「国境を越えて」
著者の尽力により、交通・デジタルなど、様々な分野でバリアフリー化となったのだが、今度は国際協力として諸外国のバリアフリー化にも尽力している。

視力にハンディを抱えている方々が本を読んだり、コンピュータを使ったり、不安無く歩いたり、電車に乗ったりすることができなかった「不可能」を「可能」にすることができた事から本書のタイトルが名付けられたと言える。そしてその「不可能」から「可能」にする動きは第6章の海外での貢献もあり、さらには日本国内でもまだ「不可能」と言える分野から「可能」にする挑戦は続いている。

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