世界は僕らの挑戦を待っている

世界に挑戦する日本人は少ないものの存在する。しかし日本人は「内向き」になる傾向があり、若者の世代であればあるほどそういう傾向が強まっている。とはいえ人によってはスポーツ選手として海外で活躍する方もいれば、ビジネスマンとして海外で新たな可能性をかけて進出する人もいる。

そういった世界に対して挑戦をしている方がいるのだが、それに対して尻込みをする方も少なくない。本書では海外に挑戦するための心得のほかにメリットやポイントについて取り上げている。

第1章「海外で活躍するために必要な10の心得―世界で生き抜く術を教えます」
海外に挑戦することに際し、生き残るための心得を10個取り上げている。実際に日本のような温室から荒野に出るわけだから、そういった環境の中で自ら変化を起こすこと、そして自分自身が得られる自由とその裏にある「責任」を負うことになる。ほかにも成功や困難の立ち向かい方などについても10個ある心得の中に入っている。

第2章「世界は広かった―ノープランで海外に飛び出し、得たもの」
著者もまた海外に飛び出し、様々なチャレンジを行ったという。しかも海外を飛び出したのは本章のサブタイトルに書かれているように「ノープラン」そのものだったという。海外に行くことなので「言葉」や「文化」の壁が立ちふさがることがあったのだが、それも一つ一つ乗り越え、自ら見る「世界」を広げることができた。

第3章「自分の道は自分で切り開く―ゼロからの起業」
ゼロから起業するケースは日本でもあるのだが、可能性を求めて海外で起業するケースもある。一例として「ノマド化する時代」の書評の中で取り上げているのでここでは割愛する。起業をすることは状況によるが、ゼロからのスタートになる。そのゼロからのスタートからどのようにして切り開いていったのか、本章ではフリーターから大学生、そして起業家になるまでどのような道を切り開いていったのかについて取り上げている。

第4章「ビジネスチャンスの見つけ方―国選びのポイント」
ビジネスチャンスを見つけるためにどのような国を選べばよいのかを示している。国選びをする前にチャンスをどう選び、見つけ、とらえていくのかそのことについて取り上げている。実際に著者はビジネスチャンスを見つけ、カンボジアに行き、そのカンボジアで何を学んでいったのかも綴っている。

第5章「「人、もの、金、情報」の集め方―継続的に価値を生み出す四大経営資源」
起業をするにあたり必要な要素として本章のタイトルにある「人、もの、金、情報」が挙げられる。自己資金の作り方・増やし方から現地人のつながり、国の情報の入手など様々な観点から、自らの体験をもとに伝授している。

第6章「世界だからできること― 「不動産」「金融」「メディア」を制覇する方法」
「世界」という舞台でできることはいくらでもある。海外で不動産投資を行い、成功した方もいれば、海外でメディアを作り成功した方もいる。ほかにもプロスポーツチームのオーナーになる、さらには銀行を設立するなど手段はさまざまである。

第7章「国境を越えて自由に働く―世界への挑戦に特別な才能はいらない」
最後は海外で働くこと、海外で挑戦することについてのコツを取り上げている。そもそも海外で働いたり、チャレンジをしたりするのにはものすごい勇気が必要であるのだが、スキルは必要なのかというとそうではないという。むしろ海外の方がチャレンジの幅が広がるという。

海外の挑戦は自分自身の持っている枠を超え、自ら見えている世界を変えることができる。挑戦に対して尻込みをしてしまうのだが、「清水の舞台から飛び降りる」感覚で思い切ってチャレンジをすることが本書を通じて私たちに必要なのかもしれない。