徘徊タクシー


ビジネスの中には「逆転の発想」で成功するケースも往々にしてある。現代にある問題や課題についてその発想で解決に導くと言うことも考えられるのだが、今回取り上げる「徘徊タクシー」は認知症の親の介護という苦しい状況を逆手にとって、新しいサービスを立ち上げたのだという。

「認知症」という病気を「逆手に取る」のは正直言って私自身も思いつかなかった。本書の帯にある、

「人間はつい目の前の現実を世界の全てだと思ってしまう。
 でも、実はそうじゃない!」

というのはまさにその通りである。その目の前の現実からちょっと外した発想によって「徘徊タクシー」が生まれたと言える。

もちろん発案者である主人公以外の方々から反対の声が上がったものの主人公は押し通し、スタートさせた。「タクシー」であるため車など様々な手続きが必要になってくるのだが、それも事細かに描かれており、実際どのようにして「徘徊タクシー」ができるのかがよく分かる。

実際にスタートしてみると色々なお客が来て、徘徊するのだが、その姿も面白い。ナンセンスのように重茂ながら、私の想像し得ないような発想と面白さを小説ながら見出した一冊と言える。

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