IGPI流 セルフマネジメントのリアル・ノウハウ

どんな規模の企業でも、どんな立場のビジネスマンでも「明日は我が身」といえる状態にある。ようは、いつ会社が倒産するのか、そしていつクビになるのか全く分からない状態にある。また会社によっては買収されて、居場所がなくなってしまうというようなことも往々にしてある。本書では会社として、ビジネスマンとして「サバイバル」と呼ばれる状況からいかに生き延びるべきか、思考法・行動術などを著者のエピソードとともに伝授している。

第1章「あなたの会社は、いつ買われてもおかしくない!」
本章ではM&Aの傾向について本章では3つのパターンにて取り上げている(p.23より)。

・IN-IN(日本企業同士のM&A)
・IN-OUT(日本企業による外国企業へのM&A)
・OUT-IN(外国企業による日本企業へのM&A)

もちろんこの3つは「友好的」「敵対的」な合併・買収関係なく行われるのだが、いずれにせよ今ある会社が無くなり、新しい会社に移るというような集団転職になる現象が大いにある。生物の世界でも「食物連鎖」が起こっているように、世界の企業はそういった買収や合併といった、会社の「食物連鎖」が起こっていることを心にとどめておく必要がある。

第2章「買い手はどこを見て、何をするか」
もちろん買収となると「買い手」が出てくるのだが、その買い手には様々な戦略を立てて買収を行っており、なおかつ買収後の戦略についても綿密に組み立てている。

第3章「どんな人材が重宝されるか」
第1・2章で取り上げた買収が多く起こり、企業としてもビジネスマンとしても「サバイバル」となる。そのような状況の時にビジネスマンはどうあるべきか、本章ではそういった時代の中に適している「人材像」を列挙している。それはビジネスマンと会社との関係・距離もあれば、ビジネスマン個人としてのスキルとして最低限持つべきものとは何かについても取り上げている。

第4章「プロフェッショナルスキルの磨き方」
これから今以上に多くの会社を渡り歩くビジネスマンも出てくる。その際に必要なスキルが「汎用的スキル」と本章にて定義している。どういったスキルなのかというと、

●財務・会計・法務などの知識、論理的思考力、語学力、コミュニケーション能力、リーダーシップ
●業界の知見、専門能力
●社外人脈
●社内向け業務知識
●会社のカンバン(ブランド)
(以上p.148より)

とある。4・5つ目は転職をする際に持っていけないものであり、転職の先で新しく手に入れられるものであるため、1~3つ目のスキルは持っておいた方が良い。本章でもその1~3つ目のスキルについていかにして身につけたら良いのかを取り上げている。

もはやビジネスの世界は「サバイバル」と言われている。その中で、個人で生きる力、どこででも活躍できる力が大事になってくる。もちろんそれも全て引っくるめてセルフマネジメントを行う力が必要になってきており、本書ではそれを身につけるためのノウハウを提示している。そのノウハウは具体的ではないものの、そのスキルを学ぶきっかけになると言えよう。