世界の「富士山」

富士山と言えば日本で最も標高の高い山だけではなく「霊峰」として崇められる存在である。しかも登山スポットとしても大いに認知されており、外国人登山者も多いという。あまりに富士山が有名なためか、それともその名に似た山が多いのか、日本各地、さらには世界各地に「富士」と名のつく山があるという。本書はその山々について紹介している。

第1章「望郷の富士山」
ちなみに本書は世界各地の「富士」を取り上げているだけであり、日本各地にある「郷土富士」は取り上げられていないことだけは断りを入れておく。
さて「望郷」と呼ばれている理由として日本人、あるいは日系人の中で最も思い出に残る「富士」を挙げている。アメリカやブラジル、さらには大東亜戦争の舞台となったアッツ島やフィリピンの山々がある。

第2章「アジアの富士山」
今度はアジアにある「富士」として韓国や中国、インドネシアやフィリピン、イラン、トルコなどの「富士」を取り上げている。

第3章「ヨーロッパ・ロシアの富士山」
ヨーロッパやロシアにも「富士」と呼ばれる山が存在する。しかしなぜ世界各地に「富士」があるのかというと、山容(さんよう:山のかたち)が富士山と似ている、あるいはその土地に代表する山である、本家の富士山と何らかの関係のあることから、世界中に「富士」と名付けられているゆえんである。本章ではどちらかというとロシアの方が多い。その理由についてもヨーロッパ独特の地形、ロシアの地形とともに言及している。

第4章「南北アメリカ・オセアニアの富士山」
南北アメリカやオセアニアにも「富士」に違わぬような山がいくつか存在するという。特に南北アメリカの西海岸側は環太平洋造山帯で占められており、富士のような山も点在するという。

著者は本書を上梓するに当たり、実際に海外に渡り実際に撮影した。本書でもそういった山々の写真が収録されている。実際にその写真を見てみると、本当に「富士山」が世界中にあると言える。本書はそのことを証明づけている。