エヴリシング・フロウズ

中学校時代というと、年齢の半分くらいさかのぼらなければならないため、もう15年前の話になる。私の中学校は今年の3月に閉校し今はないのだが、その学校の思い出は語り出すと切りが無いので、ここでは割愛しておく。

中学校に限らず、小学校・高校ではよくあったのが「クラス替え」。それによって新しくクラスメートになる人、逆にクラスメートだったのが離れてしまう人それぞれいる。そのことによって人間関係も大きく異なってくる。その人間関係の変化が多感な学生時代に大きな影響を与えることは言うまでもない。しかもその影響が最も起こりやすいのが、心的に最も多感な時期である中学生の時である。

本書はそのクラス替えが行われた直後の中学3年生の人たちの人間模様を描いている。最も明暗共々の心が複雑に入り交じり、そのことによって陰湿な出来事が起こることもある。またクラスの中では席替えも頻繁にあり、隣り合わせとなる人も変わってくる。しかも本書は中学3年生の人たちが中心となっているので「高校受験」も入ってくる。人間関係だけではなく、自身の過去・現在・未来の変化をまざまざと描きつつ、人生とは何か、青春とは何かを問い続けている姿はなんとも言えない一冊と言える。