97歳の幸福論。―ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣

本書の著者は、昨年100歳を迎えた。それでも矍鑠(かくしゃく)としながら、現役のカメラマンとして活躍している。その方がどのようなことが「幸福」であり、なおかつ、それを達成していくのか、本書ではそのことについての秘訣を5つ取り上げている。

秘訣1「“温かい”家で暮らす―死ぬまで「自分のお城」がいいわ」
衣食住一つ気遣うだけでも、どのように生活できるかが大きく変わってくる。著者も民芸品などのインテリアにこだわり、「広く快適に」暮らすことができるようにしているという。他にも色の使い方から、ベランダの使い方にも著者がこだわったところを写真とともに披露している。

秘訣2「ちゃんと食べる、ちゃんと歩く―「どうしてそんなに若いの?」にお答えします」
衣食住の「食」の部分であるが、三食取ることはもちろん、どのような食材を選び、料理しているのかを明かしている。まだ運動として歩くこともまたライフワークとして行っており、どこで、なおかつどれくらい歩いているのかも取り上げている。

秘訣3「身だしなみに手を抜かない―やっぱり「見た目」も大切!」
衣食住の「衣」の部分があるのだが、著者自身で服をつくって着ているという。もちろん色やデザインにもこだわり、ファッションも楽しみにしているという。また頭の体操としてアクセサリーを選び、身につけることもまた楽しみの一つとして挙げている。

秘訣4「年齢を悟られずに生きる―ホントに大事なのは「ココロモチ」」
本書が出た頃はすでに97歳、そして当ブログで取り上げた頃はもう101歳を迎えている。それにもかかわらず、年齢も悟られず、若々しく生きている著者の姿にはある理由があったという。衣食住のこだわりだけではなく、本章のサブタイトルにある「ココロモチ」を大切にしているという。

秘訣5「読む・書く・仕事&恋をする!―人生の転機は、「好奇心」から生まれる!」
著者は以前「好奇心ガール、いま97歳」という本を上梓している。今もなおハードスケジュールで活動を続けており、その源泉が「好奇心」にあるという。仕事に恋し、自分自身の挑戦を続けながら、今日もまた走り続けている。

100年以上にわたって生き続け、なおかつ現役の写真家として今日もまた取材を続けている著者の「幸福」は身近な所にあり、なおかつ常々拾い・つかみ続けながら日々過ごしている。その姿は「生きる」「仕事をする」ことに意味を見いだせなくなった方々に対しての特効薬になるだろう、そう思う一冊である。