戦後日本の経済と社会――平和共生のアジアへ

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今となっては世界第三位の経済大国だったのだが、数年前まではアメリカに次ぐ世界第二位だった。その世界第二位に上り詰めた最大の要因の一つとして高度経済成長による世界的にも類を見ない、目覚ましい経済成長を遂げたことにある。その戦後経済の中で大きな成長を見せたのと同時に、ひずみもまた存在したという。

本書は戦後日本がどのような経済成長をたどり、経済体系を作っていったか、そしてこれから日本の経済のみならず、国際的な立ち位置としてどうしていくべきかを取り上げている。

1.「戦後の復興と民主化」
大東亜戦争、および第二次世界大戦の終結に伴い、社会も経済も大きな変化を遂げた。もっと言うとGHQの指示により変化せざるを得なくなったという部分もある。しかしそういった変化がのちの経済復興と成長の大きなきっかけとなった。

2.「高度経済成長とそのひずみ」
高度経済成長の起爆剤となったのは1960年12月に発表し、1961年~1970年にかけて行われた「所得倍増計画」がある。その成長に伴い国も戦後の苦しみから脱出し、豊かな国へ向かっていったのだが、その成長にも「ひずみ」が存在した。本章では四大公害病をはじめとした「環境汚染」、急増した「交通事故」などが挙げられているのだが、それだけではなく、大学のマンモス化に伴う授業料の急激な値上げが発端となった「大学紛争」もある。

3.「日本型資本主義の特徴」
この高度経済成長の支えの一つとなったのが「日本型資本主義」の形成があった。本章ではその特徴について、アメリカ人の視点から、その資本主義の一角を担った鉄道文化、株・不動産といったものをピックアップしている。

4.「企業の知恵とロマン」
高度経済成長における企業は「日本型経営」と呼ばれるもので、雇用体系も「終身雇用制」だった。その経営の在り方と欠点、そして変化について取り上げている。

5.「平和共生のアジアへ」
ここでは少し前に起こったアジア周辺に関する諸問題を取り上げながら、アジアとしての日本はどうなるべきか、どうあるべきかを提言している。

日本は戦後、目覚ましい成長を遂げ、経済大国となっていったのだが、成長の過程、さらには成熟と呼ばれる時代でも様々な課題を抱えている。本書はその課題をあぶりだしているというよりも、成長にフォーカスを与えているに過ぎない。それでも日本はどのようにして成長していったのかがよくわかる一冊といえる。

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