ブロンズの地中海

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本書の舞台は第二次世界大戦の真っ只中、ナチスドイツの占領下にあったフランスが付帯となっている。そのフランスの地でとある日本人女性を主人公にした一冊であるが、「恋愛小説」と言えば確かにその通りだが、時代が時代であるだけに、戦争のことについても描かれている。

また主人公が受けたフランス人からの屈辱、人種差別もあり、なおかつ「逃避行」も描かれている。著者自身がパリやニースなどフランス各地を事細かに取材していることから、どこの物語か、逃避行にしてもどのようにして移動したのか、そしてどこからどこまで移動したのか、その背景も含めて事細かに描かれているところが印象的である。

ただ、本書はノンフィクションなのかどうか分からない。というのは、帯にもあらすじにも「ノンフィクション」と記載されておらず、なおかつ「この物語はフィクションです」と言うような文言も存在しない。なのでこの日本人女性が実在するのか、それとも著者の創作なのかは不明である。

とはいえ、戦争の過酷さと燃えるような恋愛が共存する小説と言える。もっとも戦争についてもナチス占領下のフランスの状況を描くのは現地、それどころかその資料に触れていない限り難しいのだが、それについても事細かに調べ尽くしているように描かれている印象があった。

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