図解 今すぐ使える! 孫子の兵法

著者の鈴木様より献本御礼。
「孫子の兵法」と言えば、世界最高の戦略書として有名であり、古今東西の有名人が愛読し、実践されたものである。ビジネス書としても、数多くの本で取り上げられているのだが、実際にビジネスの場でどのように使ったら良いのか分からない方も多い。
本書はその「孫子の兵法」を「図解」とあるだけに、すぐに実践できるよう、図をふんだんに用いて、わかりやすく解説している。

第1章「人生で大事なことは『孫子の兵法』がすべて教えてくれる」
ビジネスに限らず、人生において色々な「勝負」の場面が存在する。その勝負にどう立ち向かえば良いのか、単純に「勝つ」だけではなく、「逃げる」「失敗から学ぶ」「イメージする」「挑戦する」「準備する」など様々な考え方が存在する。もちろんそれらは全て孫子の兵法の中に盛り込まれている。

第2章「失敗する要素、負ける要素を徹底して排除する」
勝負の中には、様々なマイナス要因、本章のタイトルにある「失敗する要素」や「負ける要素」が存在する。それらの要素と向き合い、どう取り除いて行くのか、やってはいけない事も含めて列挙している。

第3章「“やり方”は本当に1つなのか熟考する」
仕事において最善の方法は1つとは限らないし、ビジネスとしても最良の方法は1つとは限らない。もちろんものによっては1つだけ、あるいは1つもないようなものもあるのだが、それを突き止めるためには、熟考し、様々なルートを模索し、検証していく必要がある。本章はそのことについて取り上げている。

第4章「「今は何をする時間なのか」を見極め、実行する」
いわゆる「時間術」と呼ばれる所である。「孫子の兵法」でも時間に関しての記載がされており、本章でもビジネス・人生双方の視点でどのように時間を使ったら良いのかを提示している。

第5章「個人の能力ではなく、人間同士の結束力に目をむけよ」
組織におけるリーダーシップ、そして組織の中の人をどのようにして生かしつつ、結束力を高めていくか、「孫子の兵法」の肝の一つとしてチーム戦をどのように戦っていくのかがある。「戦い方」にフォーカスされがちだが、チームとしての役割・結束・成長もあるため、ビジネスの場でも大いに役立つ。本章では組織において、どのように孫子の兵法を学び、浸透していくのか、そのことについて取り上げている。

古典の名著であり、ビジネスの場でも大いに役立つ「孫子の兵法」。解説書はいくつも存在するものの、こうした「図解」と言う形で取り上げている本は少ない。もっとも「孫子の兵法は知っているが、実際にどのように使ったら良いのか分からない」「孫子の兵法はどのように役立つのか分からない」方々にとって大いに役立つ一冊である。