本屋さんがくれた奇跡

私は毎日のように本屋に通うのだが、その理由としては書評家としての本のネタ集めをすることもあるのだが、毎日本屋に通っていると、新しい本が出てきたり、自分自身の気づかなかったことに気づいたりすることができたが、本屋は本を買ったり、探したりする場所だけの存在ではない。本書はその本屋で生まれた奇跡を8つ取り上げている。

第1話「ふくらむ気持ち」
とある女子大生は周りから体における悪口を言われ、傷ついた。それがコンプレックスとなり、脱出するために、それに関する本を求めるようになり、本屋へ向かった。その本屋で本を見つけただけではなく、ある講演を聴講するきっかけとなり、そこである奇跡が生まれた。

第2話「今宵、二番カウンターで」
とあるラーメン屋が舞台であるが、本章の主人公はラーメン屋の店主ではなくそこの常連であるサラリーマンである。そのサラリーマンは新しい事業をスタートするも全くうまくいかず、苛立ちを隠せないでいた。そこでとある本屋に通いあるビジネス書を手に取った。そこからある奇跡が始まった。

第3話「居心地のいい場所」
とある会社員が突然の降格から物語は始まり、それを転機に両親の出身地に移って、ある店を開店し、繁盛することになった。その後色々なところに店を展開するも事件に巻き込まれる。その事件が引き金となって凋落の一途をたどろうとしたとき、ある本屋と本の出会いが奇跡を起こした。

第4話「見えなかったハッピー・エンド」
テニスコーチの試験に合格し、いよいよ夢をかなえようとしていた矢先、とある病によって両目の視界が急速に悪くなっていった。失明寸前のような状況に陥った時、本を読もうと決意したのだが、そこでとある本屋、そして本に出会った。そのことによってある奇跡が起こるきっかけとなった。

第5話「僕はここにいる」
とある開業医は繁盛している一方で多忙な毎日を送っていた。その多忙な毎日の中でふらっと本屋に赴き、ある店長と出会うこととなった。この出会いによって本と出会った。そのことがある開業医が新たなステップを踏み出す奇跡となった。

第6話「笑って話せる日が来るさ」
仕事が決まり、結婚までこぎつけることができそうになったのだが、結婚が破談となり、転落の人生になった。ついにはそうなった自分自身を呪うようになった。しかし古書店からさらに探したとある本屋に足を運ぶことになってから転落していた人生から奇跡のような回復を見せることになった。

第7話「伝えられなかった「ありがとう」」
人事として働いていたサラリーマンは、現状に絶望を覚え、コーチングを学び、身につけ、独立することとなった。しかし仕事がなくうまくいかない状態だっただが、その際に出会った本屋と本が、仕事の原点を知ることができ、奇跡的な転機のきっかけとなった。

第8話「友だち未満」
管理栄養士として会社にて働いている人が、仕事・人間関係にストレスを覚え、迷いが生じた。その時にとある本屋に立ち寄り、本に出会った。そのことが迷いを脱するための奇跡のヒントを得ることとなった。

この8つのエピソードで出てくる本屋はいずれも共通する本屋で、なおかつ著者と大いに関係のある本屋である。その本屋と出会った奇跡、そしてその本屋で出会った本が織りなす奇跡、その奇跡の連続が本屋にはある。本書は本屋の知られざる素晴らしい奇跡に出会うことが出来る。