東京オリンピック――1960年代

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今から51年もの前に東京で初めてオリンピックが行われた。それ以前にも1940年にオリンピックが行われる予定だったのだが、第二次世界大戦による戦乱による影響からか開催の権利を返上し、実現できなかった。そのため初開催が1964年になったのである。このオリンピックは高度経済成長の象徴の一つとして扱われ、「オリンピック景気」と呼ばれる好景気をもたらした直接的な要因として挙げられる。

この東京オリンピックの時期にもオリンピックや経済成長の他にも「六十年安保」など大きな出来事があった。また本書は60年代を取り上げているため、「ベトナム戦争」「学生紛争」と言ったものがあるのだが、それについても言及している。

Ⅰ.「高度成長とナショナリズム」
ここでは高度経済成長と東京オリンピック、そしてその周辺で誕生した新幹線、さらには逆風の中で神様となって言った手塚治虫と言った良い側面。そして経済成長のひずみの一つとしてあげられた四大公害病の一つである水俣病の出来事について考察を行っている。手塚治虫と言えば10月から今月まで放映された「ヤングブラックジャック」のアニメがあるのだが、そのストーリーの多くが60年代であることから、本書を知っていく上でアニメも併せてみるとより理解が深くなる。

Ⅱ.「民族大移動―農村と都市の変貌」
「民族大移動」という出来事の概念は元々4世紀から8世紀にかけて行われた「ゲルマン民族の大移動」や「東方民族の大移動」が挙げられる。しかし本書のメインは日本である。日本にも「民族大移動」があるのかというと、国の移動と言うよりも「農村から都市への移動」と言う側面で使われる。どうして本章のタイトルにある「大移動」が使われたのかというと、この頃は農村から大都市へと就職する「集団就職」が盛んに行われていたためである。本章ではなぜ大移動が起こったのかその原因について探っている。

Ⅲ.「ベトナム戦争と日本社会」
1960年代に起こったものの代表格として世界的に有名なものが「ベトナム戦争」である。大東亜戦争を含めた第二次世界大戦が終わってまだ15年、朝鮮戦争が起こって10年と経たずに、冷戦の象徴たる戦争が起こった。その戦争は世界的にもセンセーショナルに扱われたのだが、日本ではどのように扱われたのか、その日本におけるベトナム戦争反対運動「ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)」の代表であった小田実氏についても言及している。

今から3年半以上前に当ブログで「1968年」に関するシリーズを連載したことがある。ちょうどこのときに扱ったのが「六十年安保」「学生紛争」、そして「新左翼によるテロ事件」がある。このシリーズの前段階である出来事を色々と見ていくと、後に起こる様々な出来事の要因が生まれたのが良く分かる。本書はそのことを知ることの出来る一冊である。

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