私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史

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2016年が始まり、個人事業主とかはそろそろ確定申告に向けて準備を進める方もいることだろう。確定申告の提出期限まではまだ2カ月半あるのだが、様々な準備が必要であることから、今からでも準備をする必要がある。

日本国憲法にも三大義務として「納税の義務」があるのだが、その「税」はどのような歴史をたどっていったのか、本書は「経済思想史」として市民革命期のイギリスから現在までどのような税体系だったのかその歴史について考察を行っている。

第一章「近代は租税から始まった―市民革命期のイギリス」
近代における税のあり方がつくられ始めたのはホップズやロックの「租税論」が出てき始めた頃である。その頃にイギリスで「所得税」ができはじめ、消費税もできはじめたのだが、アダム・スミスが「消費税」について反対の主張を行ったという。

第二章「国家にとって租税とは何か―十九世紀ドイツの財政学」
所変わってドイツでもシュタインやアドルフ・ワーグナーといった学者が租税論を主張し、それを元に国家主導で税制を構築し始めたのだが、良い面もあれば悪い面もあった。

第三章「公平課税を求めて十九・二十世紀アメリカの所得税」
今度はアメリカの税制の変化であるが、19世紀から20世紀初頭にかけて所得税などを基軸にした政治的な戦いが存在したという。それも含めて税体制が構築され、近代における資本主義がアメリカにも構築され始めた。

第四章「大恐慌の後で―ニューディール税制の挑戦」
アメリカに端を発した世界的な大恐慌は国によって対策は違えど脱出することができた。アメリカでは世界的にも有名な経済政策である「ニューディール政策」がある。その政策の中でも課税について本章では指摘している。

第五章「世界税制史の一里塚―二十一世紀のEU金融取引税」
税対策の中で、本章にて着目しているのが「EU」である。国によって税制は異なるのだが、ヨーロッパにおける共同体がどのような税をつくり、徴収しているのか、それを考察すると共に、国の枠を超えた税制のあり方が税制史にどのような1ページを残すのか、その可能性について取り上げている。

第六章「近未来の税制―グローバルタックスの可能性」
これからの税制はどうあるべきか、世界的な税制の現状と、これから世界的にどのような税制にして行けば良いのか、その展望について述べている。

国家的に税制がどうあるべきかというのもあるのだが、その税制を構築する際にも思想が存在する。そのほとんどは「経済思想」の範疇の中にあるのだが、その経済思想における税が国の税制にどのような影響を与えたのか、その一端が分かる一冊である。

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