詩の寺子屋

学校の国語の授業などで「詩」を読むことがある方も多いようだが、実際に「詩」はどうやって書いたら良いのかわからない方も多いことだろう。しかし著者に言わせたら、

「詩を書くことは、難しいことではありません」(p.iiiより)

なのだという。ある意味「コロンブスの卵」のような答え方であるのだが、どうしてそのようなことが言えるのか、具体的にどのような手法でもって詩を書けばよいのか、著者流の詩の基本、書き方を伝授している。

第1章「子どもたちの詩」
詩はその専門家の専売特許のような印象を持たれるが、子どもでも詩を書くことができる。実際に本章でも小学2年生の6年生が書いた詩を取り上げつつ、子どもにしかつくることのできない「詩」があるという。

第2章「和合流、詩の基本」
詩には必ずと言ってもいいほどルールが存在する。そのルールは「韻を踏む」というようなものがあるのだが、著者はほかにも「音楽」や「言葉」など独特のルールも存在する。

第3章「言葉のかたまりをつくろう―詩を書こう①」
本章から3章にわたって実践編としてどのように詩を書いたら良いのかを伝授している。その一つ目として「言葉のかたまり」を取り上げている。詩を書くにあたり色々な単語が浮かんでくるのだが、そういった単語はパズルでいうところの1ピースである。そのピースをつないでいって、一つの「かたまり」、つまりは文章にすることによって詩をつくるための部品が出来上がる。

第4章「言葉をつなげよう―詩を書こう②」
第3章で述べた「言葉」という名の部品を組み立てていく、いわゆる「つなげる」作業をしていく。もちろん筋の通った言葉につなげていくのだが、本書はあくまで「詩」を作るのであって、作文をするわけではない。「詩」としてどのように組み立てたらよいのか、かみ砕きながら説明されている。

第5章「言葉の橋をかけよう―詩を書こう③」
そういった言葉を詩にするために言葉の「橋」をかけることを伝授している。そのためには「風景」を映し出したり、印象を表すように組み合わせたりすることによって一つの「詩」が出来上がる。

第6章「新しいアクション」
詩はいろいろな風景を映し出すことができるのだが、ほかにもアクションを起こすような感情を引き起こす役割を担っているという。そのアクションを引き起こすような詩をつくるためにはどうしたらよいのかについて伝授している。ちなみに本章ではツイッターを利用した詩の書き方も紹介されている。

第7章「「ふるさと」で詩を書こう」
本章では演習編として「ふるさと」をお題にどのように詩を書いたら良いのかを問うている。第6章までいろいろと学んだことをフルに生かして作ってみると良い。

詩は誰にでも書けることを取り上げているが、実際に本書でもって何度も実践を繰り返すことによって、より面白い詩が出来上がることができる。また本章とともにブログを通じて披露することによってフィードバックを得ることができ、なおかつ詩を作ることが面白くなる。今は情報発信できる場がたくさんあることから本書をつかって実践できるチャンスもたくさんある。