進む航空と鉄道のコラボ―空港アクセスが拓く交通新時代

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航空と鉄道は長年ライバル関係にあり、今もなおそのような状態が続いているイメージがある。もっとも新幹線のような長距離鉄道のルートに航空ルートが重複するようなこともあるため、コラボすることそのものがあり得ないと思ったのだが、実は航空と鉄道とのコラボはアクセスの整備が進んだこともあり、共に追い風のような状況になったことから積極的に行われているのだという。特に2020年に開催される東京オリンピックを見据えてコラボを進めているのだという。本書はどのようなコラボを行っているのか、そしてこれからどのようなコラボを行っていくのかを追っている。

第1章「航空と鉄道が切磋琢磨した時代」
鉄道と航空の歴史をそれぞれ紐解いてみると、わりと最近のことである。鉄道が生まれたのは16世紀のドイツにおける炭鉱の運搬にて使われた。現在の鉄道のようなものができたのは蒸気機関車ができ、実用化された1830年のイングランドの時である。そこから大量郵送ができることとなった。そして航空はと言うと1913年のロシアのイーゴリ・シコルスキーの大型旅客機「イリヤー・ムーロメツ」が初飛行した時からである。第二次世界大戦前までは、鉄道が大量輸送の主流だったのだが、戦後航空に取って代わられることとなった。
日本において最も鉄道と航空がしのぎを削った場としてあったのが「東京・大阪間」であり、本章でも長らくその闘いがあったことを取り上げている。

第2章「コラボで新たな段階に進化した例」
航空と鉄道はしばらく競争する関係だったが、その競争にも変化があった。特に航空ではLCCが参入するなど、航空間で競争することとなった。それらを含めた競争の中で空港の「ハブ化」をすることによって共存関係を持つようになった。もちろんこれは日本に限ったことではなく、先進国を中心に世界的に起こっていることである。本章でもフランスのド・コール空港と鉄道を取り上げている。

第3章「増える空港アクセス鉄道」
こうした空港にアクセスする鉄道は日本でも羽田空港であれば、「東京モノレール」や「京急線」、成田空港であれば「京成線」や「JR線」などが挙げられ、空港アクセスを行う鉄道は充実しているように思えるのだが、実際の所、日本では空港アクセスは「二の次」の状態になっていたのだという。しかし東京オリンピックが近づくにつれ、鉄道やバスなど、空港アクセスを充実したモノになるという。

第4章「望みたいアクセス鉄道」
具体的に鉄道による空港アクセスの案としてJRの羽田アクセス新線もあれば、JR・東急蒲田駅と京急蒲田駅などを結ぶ「蒲蒲線」と言ったものがあるが、具体的に進んでいるのか本章では疑問を呈している。また地方でも仙台・広島・山口・福岡などの空港アクセスはどうなのか、そして海外の空港アクセスはどうなのかを参考にどのようなアクセス鉄道が望ましいかを提示している。

第5章「鉄道と航空の連携で変わるネットワーク」
本章では前章まであった都市圏と空港とのアクセスから、今度は観光地に向けたアクセスをどうしていくのかが中心になってくる。その理由として外国人観光客をいかにして取り込んでいけば良いのかと言うのが基軸となっている。事例として新千歳空港や新潟空港、静岡空港、伊丹空港とその周辺のアクセスが取り上げられている。

これから東京オリンピックに向けてと言うのもあるが、外国人観光客が増加傾向にあり、昨年の流行語として「爆買い」があるとおり、外国人観光客の需要が高まってきている。その高まった需要を対応するために日本の鉄道、航空などの交通インフラがどのようにして行くのか、もちろんそこにはビジネスの競争はあれど、お互いに協力していく側面も必要になってくる。本書はその一つとしてコラボをどのようにして行くのかを提示している。

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