一流の人は本気で怒る

あなたは最近「怒った」ことはあるか。ちなみに「怒る」と言う意味は相手に対して怒鳴り散らすようなことではなく、あることに対して不満や憤懣を覚えることから生まれる「怒り」が芽生えたことを表している。その意味での「怒り」であれば、ほとんどの人は持っている感情である。その怒りをどこにぶつけるか、それが大きな鍵になるのだが、一流の人は本気で怒り、その怒りの矛先をコントロールすることによって、良い方向に導くことができる。本章は一流の人はどのような「怒り」をしていたのか、そしてそれを学ぶことによってどのような良い作用を見出していくのか、そのことについて取り上げている。

第1章「成功する人は怒っている―エネルギーの源泉としての怒り」
成功する人は多かれ少なかれ「怒る」のだが、その「怒り」にも「正しい」「正しくない」の2種類存在する。本章では簡潔に明記されていないが、ざっくり書くと、

・正しい怒り・・・個人や国などの「理想」を持ち、それと現実とのギャップに対する怒り
・正しくない怒り・・・理想や道徳のない、単なる感情だけの怒り。または憎しみ・嫉妬による怒り

と言える。もちろん理想にしても「正しい」ものにしていく必要があるのだが、その正しいの中にも「考え方」がある。具体的な考え方は第3章にて記してある。

第2章「どうして人は怒るのか―「正しくない怒り」をコントロールするために」
人は誰しも「怒る」。しかしその「怒り」は時として間違った「怒り」を出してしまうことがある。それをコントロールできていないと、人間関係がギクシャクするだけではなく、人生や仕事において大きなマイナスを被ってしまうことにもなりかねない。そのため「正しくない怒り」を抑えるようにコントロールをし、理想や正しい考え方をもった「正しい怒り」をして行く必要がある。その「正しくない怒り」を抑える方法について本章で伝授している。

第3章「尊敬される怒りとは―「正しい怒り」を身につける「正しい考え方」」
「怒る」ためにも哲学や理想を持つ必要がある。もちろん怒りの中には素直で謙虚になる必要があり、それがないと傲慢なエゴイズムを持った「正しくない怒り」となってしまう。そのために「正しい考え方」を身につける必要があるのだが、そこには「哲学」があるという。他にも「私心を持たない」と言うようなものもあり、それが前提で「正しい考え方」を身につけることができ、そして「正しい怒り」となっていく。

第4章「怒りをどう伝えるのか―「インパクト」あるコミュニケーションの方法」
相手に対して「怒る」ことを伝えることは心身両方にて負担の大きいことであり、一歩でも間違えると、相手との壁をつくってしまうだけではなく、最悪組織を辞めてしまうきっかけになってしまう。とはいえ「本気になって」怒らなければ相手に伝わることはできない。その本気を伝えるためには「怒る」以上に「怒っていることを伝える」ことが必要であり、その一方で「本気で褒める」ことも大切である。

本書は怒ることは大切というよりも「正しい怒り」を持ち、伝えることが大切であることを伝えている。本書のタイトルを鵜呑みにして何でもかんでも怒って良いというわけではない。正しい考え方・理想・怒りを持つためにどうしたら良いのかを伝授した一冊である。

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