下に見る人

「自分より下」を見る人はどのような目や表情で見るのだろうか。ある意味「見下す」ような状況にあるのだが、状況や境遇、さらには人によって下に見る人の表情は変わってくる。本書はそういった下を見る人を主観においた話を収録している。収録している数は全部で24あり、しかも1つ1つページ数は、ばらつきはあれど、だいたい3~4ページほどと、どちらかというとショートショートにも見える一冊である。

それだけありとあらゆる状況・立場・人の「下に見る目」が存在している。もちろん人間は動物の一種であるため、ある意味での差別は存在する。その差別は解消することは存在しない。とはいえ差別の手段や考え方は千差万別とあり、場合によっては「ゲスの極み」とさえ思えるものもある。

人として生きる中で「差別」ができるのはどうしても存在するので仕方がないが、それを誇張することは人間としての品性はほぼ確実に落ちていく。それに対する反面教師として本書を呼んだほう良いのかも知れない。