記憶力の正体―人はなぜ忘れるのか?

自分自身30を迎えたのだが、年を取ったという印象もある。元々物忘れが激しいのだが、最近それが顕著になってきた。あるとき出かける際、靴を履き間違えて戻ったのはいいが、再出発する際に傘を忘れてしまったということがある。

私事はここまでにしておいて、そもそも記憶力とはどのようなものなのか、なぜ「忘れる」のか、そして記憶力を向上するためにはどうしたらよいのか、本書はそのことについて取り上げている。

第一章「「忘れる」とはどういうことか?」
大前提として挙げるのは、物事を完璧に覚えることは不可能である。というのは物事を記憶するには絵・文字・音などありとあらゆるものを記憶する必要がる。もちろんそれができる人もいるのだが、ごく少数である。また一定期間記憶をしたら忘れることもある。その「忘れる」メカニズムとはいったい何なのかを取り上げている。

第二章「「忘れられない」の正体」
一定期間で忘れるとは言っても例外がある。出来事によっては一生忘れられないようなこともある。その一方で一度見た記憶は忘れないと言うように記憶力が抜群な人もいる。しかしその記憶が抜群であっても弊害があるのだという。その弊害についても本章にて取り上げている。

第三章「「思い出せない」理由」
私自身ど忘れをすることが多い。もちろん人生様々なことがあるため忘れてしまうことがあるのだが、最初に書いたような直近のことでさえ忘れてしまうようなこともある。その「思い出せない」病気の一つとして「アルツハイマー病」が挙げられる。他にも事件や事故などのトラウマで出てくる「PTSD」もあり、本章でもそれらの病気について取り上げている。

第四章「記憶は意識を超えていく」
記憶に残すことは決して意識的に行っているばかりではない。無意志の中でも記憶するようなことはある。もちろん忘れることもまた無意識で忘れてしまうことがある。その無意識で記憶をすること、そして忘れることのメカニズムを取り上げている。

第五章「忘れないと覚えられない」
記憶の容量は人それぞれであり、中には無限大というような人もいるのだが、実際に物事を覚えるとなると、いったん忘れて覚えると言うようなことがある。本章ではそれがどうして起こるのかその理由について述べている。

第六章「記憶を強くするヒント」
色々な記憶のメカニズムは知ることはできたものの、どうしても記憶力を強くしたい。そんなあなたのために、記憶力を強くするためのメソッドを伝授している。

人は物事を記憶はするものの、あずかり知らぬ所で忘れてしまう。しかしその「忘れる」ことは決して悪いことではなく、人間の中にそういった機能があると言える。また記憶をすることも意識・無意識とで存在することを本書でもって知ることができた。