18歳選挙権で政治はどう変わるか―データから予測する投票行動


今年、参議院通常選挙が行われるが、それに先立って6月19日には改正公職選挙法が施行され、選挙権が18歳以上に引き下げられる。この選挙権の年齢の引き下げは1945年以来70年ぶりの出来事である。
選挙年齢が18歳以上に引き下げられたことにより、有権者が増えるのだが、そもそも18・19歳は選挙に対しどのように向き合ったらよいのか、本書では、18歳以上になった時に、どのような投票行動をしたら良いのか、それを予測するだけではなく、今ある18歳選挙権の課題もあぶりだしている。

1.「はじめに―選挙権年齢引き下げの背景と、その影響・課題」
選挙年齢の引き下げによってもたらされる効果として目が見えるものとして有権者数が増加することもあるのだが、ほかにも課題として「政治に対する関心事」が挙げられる。

2.「有権者が投票する基準は?」
投票をする基準とは何かというと人それぞれであるのだが、統計的に見ると候補者の政策や主張が多く、その次には候補者が所属する党を理由にする人が多い。もちろんほかにも人柄や利益などがあるのだが、あくまで本章で取り上げている投票理由を挙げている。

3.「18歳・19歳は、いつ、どのような判断するか?」
考慮する政策課題は世代によって異なるが、60代以上であれば「年金」や「医療」が多く、働き盛りの世代では景気対策や教育に関することが関心事として挙げられる。では18・19歳はどのようなことに関心事があるのか、本章では統計を取ってはいないのだが、原発再稼働に対すての関心事についてアンケートを取っており、その結果が掲載されている。

4.「18歳選挙権に対する期待と、残される課題」
18歳選挙権になることによって18・19歳の政治的関心が高まる期待が挙げられる一方で、むしろ投票の関心がなく、逆に投票率が下がってしまうのではないかという悲観的な見方をする人もいる。また18歳選挙権は、むしろ世代間格差を助長させるような引き金になってしまう要因もあり、期待やメリットもある一方で、そういったリスクも挙げられる。

5.「18歳・19歳の投票率を予測する」
4.の中で「逆に投票率が下がってしまうのではないか」と書いたのには理由が存在する。元々選挙で投票率の多いのはだいたい50代後半から70代にかけてが多く、20代は統計的にも3人に1人しか投票していない状況にある。この状況から鑑みると18歳以上に引き下げられることによって10代の投票率が低くなってしまうと、むしろ過去最低の投票率を更新してしまうというリスクが生じる。

6.「投票率を上昇させる方法」
では投票率を上げるためにはどうしたらよいのか、単純に強制的に選挙に参加すればいいという案もあるのだが、そもそも北朝鮮やかつてのイラクなど、投票に参加しなければ何かしらの罰則を与えるような国ではないし、そもそも投票しないのも一つの「行動」である日本では相容れることは不可能である。ではどうすべきかと言うと政治的な関心を持つような「教育」をしていくほかない。

7.「ネット選挙と18歳・19歳」
最近から始まっている「ネット選挙」、特に2014年の衆議院総選挙ではネット選挙が大いにフォーカスされたのだが、その効果は薄かった。しかし今年の参議院選挙ではこの「ネット選挙」がどのような効果をもたらすのかを見ることができる2回目の機会である。そのため18歳・19歳に対してどのように啓発し、そして投票行動に持っていくかにも心血を注いでいる所も少なくない。

8.「おわりに―政治参加の機会の拡大」
若年層の政治参加の機会は増えていっている。学生でもデモを起こしたり、団体を作ったりして政治的な関心を持つようになってきたのだが、それでもなお無関心な人は少なくない。その政治参加の機会を拡大することもまた一つの手段である一方で6.でも述べた通り政治的関心を高めさせるにはどうしたらよいのかという課題も残っている。

選挙年齢が18歳以上になる今だからでこそ、政治的関心を高める必要があるのだが、そもそも政治的関心を高めさせるような啓発が行われているのかも気にかかっている。これから参議院選挙が行われるのだが、10代をはじめとしたこれからの未来を担う者たちへのアプローチも必要になってきているのではないだろうか。

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