さよならは小さい声で

3月は「別れ」の時期である。この時期に卒業式を開催し、最上級生はそれぞれの道を歩むべく別れる。その別れの挨拶としてあるのが「さよなら」である。もっとも「別れ」は卒業式に限らず、様々なところである。人生が「一期一会」という言葉があるように。

本書はその別れの言葉を基軸にしたエッセイ集である。日常から夢、お金の使い方、朝食や育児、しつけや家事全般、人間関係などを取り上げつつ、著者本人が体験した様々な別れと出会いを描いている。

本書を読んでいくと、自分自身の暮らしを見つめなおすことができるだけではなく、今までどのような出会い・別れがあったのかをフラッシュバックすることができる。そのことによって今まであった出会い・別れを思い出し、そしてその感傷に浸ることができた。