漁業という日本の問題


日本における食にまつわる問題として漁業が存在する。その漁業と言うとイルカやクジラ、マグロなどのものが国際問題に発展しており、なかなか解決に導くことは難しい。
しかし漁業の問題は日本に限らず世界中にあるのだが、国によっては漁業改革を行い、成功している所も存在する。本書はそういった漁業にまつわる問題と、そこからの解決策についてを取り上げている。

第一章「食卓から見た魚」
日本における魚をはじめとした水産物の消費は戦後になってから右肩上がりに増えているというが、2000年以降は減少の一途をたどっている。しかし日本における魚の需要は高く、国内での漁業というよりも、海外からの輸入に頼っている現状もある。

第二章「日本漁業の現状」
もっとも日本では漁獲がだんだんと減少している。その要因として「地球温暖化」「乱獲」「クジラの食害」といった説が存在するが、そうでなくても漁業者が年々減少しているほかに、漁業の収益も悪化しており、何重苦になるのかわからないくらいまでになってしまっている。

第三章「持続的に儲かる漁業の方程式」
漁業の未来は暗いのかと言うと、世界に目を向けてみるとそうではないという。その理由として第五章で取り上げるノルウェー、第六章で取り上げるニュージーランドでは漁業改革を行い、資源管理を徹底させることによって持続的で、なおかつ収益性の高い産業へと発展していったという。そのメカニズムは該当する章にて詳しく取り上げる。

第四章「日本漁業の処方箋」
日本における漁業の処方箋の一つとして、何重苦にも陥っている原因を探っていく必要がある。その理由として日本の漁業は「乱獲」を促進するような漁業制度にあるのだという。

第五章「ノルウェーの漁業改革」
ノルウェーにおける漁業の基本政策は以下の3点である。

1.IQ方式を導入し、質で勝負する漁業への転換を促す
2.補助金を減らして、水産業への自立を促す
3.過剰な漁業者の退出を促進する(p.114より)

1.の「IQ方式」の「IQ(Individual Vessel Quota)」は「個別漁獲枠」であり、それぞれの人・団体が漁獲枠を確保して漁業を行うという形である。そのことにより、より多く獲るようなことが亡くなり、安定的に漁獲ができるというようなことができるという。
ほかにも私が注目しているのが2.である。これは漁業に限らず、農業にも同じことが言える。自立をすることによって自ら頭を使い、効率的な農業・漁業を行うことができるようになる。

第六章「ニュージーランドの漁業改革」
ではニュージーランドではどのような改革を行ったのかと言うと、「ITQ(Individual Transferable Quota)方式」を導入したことにある。基本的には第五章で述べた「IQ」方式の一種だが、違う点は漁獲枠を「証券」として売買をしているところにある。そのことによって採算の取れない漁獲枠でも、経済効率を改善することができたのだという。

第七章「なぜ日本では乱獲が社会問題にならないのか?」
そもそも第四章にて述べた「乱獲」の現状がメディアで叫ばれなかったのか、その理由として「情報統制」があったのだという。しかし最近ではだんだんと報じられるようになり、漁業に関する問題が浮き彫りとなり、改革に向けて動いているのだが、水産庁との攻防が続いていることにより、なかなか結び付いてないのが現状としてある。

第八章「解決への道筋―クロマグロの資源管理」
既にクロマグロは資源の世界的な減少しているのだが、その原因も乱獲である。しかもその乱獲の中でも未成魚の乱獲が顕著であることを指摘している。ただ指摘をしているばかりでは解決に向けての指針を立てることができない。だからでこそ、提言をするなど行動を起こさせるような提案をする必要があるという。

漁業にまつわる問題は国際問題であると同時に、日本における「食」の問題にも直結する。私たちの食卓に出てくるようなものが明日から出てこなくなるようなことだってあるのが、その漁業である。私たちは本書などを通じて漁業に対しても関心を持ち、そして発信していくこと必要があるのではないか。

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