絶対幸せになれるたった10の条件

幸せになるためにはどうしたらよいか、それは「幸せ」をつかんでいない方であれば誰にでもあるような課題である。しかしそうするためには自分自身が感じる「幸せ」とは何かを知る必要がある。
その「幸せ」をつかむためには心理的な要素が必要になるのだが、そういったことを説いた本は心理学に関することが多い。しかし本書は哲学的な観点から幸せになる条件を提示している。

条件1「ポジティブになる―アランの幸福論」
まずはアランの幸福論からスタートとなる。名著としても同様の名前の本が出ているのだが、その中で出ているのが「ポジティブ」である。一例として好奇心や希望、そして愛があるという。

条件2「没頭する―ラッセルの幸福論」
アランと同じく幸福論を出している一人としてイギリスの哲学者、バートランド・ラッセルが挙げられる。ラッセルの幸福論とは一体何か、それは「没頭」があるという。その没頭によってなぜ幸せになれるのか、その本質を取り上げている。

条件3「信じる―ヒルティの幸福論」
次はスイスの哲学者であるカール・ヒルティの幸福論が挙げている。ヒルティの幸福論として「信じる」があるのだが、誰に対して、そして何に対して信じるのか、そして信じることによって何が起こるのか、そのことについて取り上げている。

条件4「楽観的になる―エピクロス派」
エピクロスは古代ギリシャにおけるヘレニズム期の哲学者である。快楽主義といった思想を生み出し「エピクロス派(エピクロス主義)」の元祖となった人物でもある。そのエピクロスはどのような「幸せ」を定義したのか、そこでは「楽観的になる」ことを軸にいい加減になる、ご褒美をつくるなどのことを提示している。

条件5「シンプルに考える―タオの思想」
「タオ」は漢字に直すと「道」を表す。この「タオ」の思想を生み出した人物として老子がいる。その思想とはいったい何なのかというとタイトルにあるように「シンプル」に帰着している。自然に従ったり、集中したり、悩まないことを提示したりすることによってよりシンプルに生きると言うことを提示している。

条件6「ほどほどを心がける―アリストテレスの中庸」
「ほどほど」はいわゆる「節制」や「中庸」の言葉の中で使われるものである。本章に出てくるアリストテレスはその中でも「中庸」の重要性を提示している。

条件7「気分転換する―パスカルの幸福論」
仕事などをしていると、必ずと行っても良いほど疲れが溜まってくる。その疲れを少しでもほぐすために気分転換をすることは何よりも大切なことである。そういった気分転換ばかりではなく、不幸と感じた時、そこから脱出するため、あるいは幸運を引き出すための気分転換の仕方についてパスカルの幸福論をもとに取り上げている。

条件8「受け入れる―ショーペンハウアーの幸福論」
事実や結果の中には時として受け入れがたいものも存在する。しかし受け入れていかないと、なかなか前に進むことが難しくなってしまう。それについてドイツの哲学者であるショーペンハウアーが「受け入れる」ことについて説いている。

条件9「相対化する―プロタゴラスの相対主義」
条件4と同じく古代ギリシャの時代に活躍した哲学者プロタゴラスは「相対」という言葉を用いて幸福を計算することについて取り上げている。「相対」と言うと幸福と不幸が両方起こると言うように思えるのだが、そのバランスでもって幸福を計算し、幸福を受けると言うところにあるという。

条件10「社交的になる―公共哲学の視点」
最後は「公共哲学」という学問からどのようにして幸福になっていくかについて取り上げている。コミュニケーションや友達、社会貢献など様々な分野にまで言及している。

「幸せ」の定義は人それぞれであるが、その「幸せ」になれる方法は、定義が違っていてもほぼ方向性は同じと言える。その方向性について様々な哲学をもとに10個紹介されているが、あなたの持っている「幸せ」の定義とを照らし合わせて実践してみると良い。