ドローンの世紀 – 空撮・宅配から武装無人機まで

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ドローンと言えば、2015年4月9日に起こった首相官邸にドローンが落下したという事件(官邸ドローン事件)があった。そのことがきっかけでドローンを知るようになり、どのように役立つのかと言うような興味を持ち始めるようになった。

しかし「ドローン」とひとえに言ってもまだわからない部分が多い。そこで本書である。本書はドローンとは何か、そしてドローンの使用事例とこれからについて取り上げている。

第1章「ドローンとは、UAVとは」
そもそも「ドローン」とはいったい何なのか、英名だと「drone」なのだが、

「この単語、本来の意味は雄の蜜蜂、あるいはその蜜蜂が立てる羽音を指す言葉だが、軍事の世界ではだいぶ以前から、無人標的機のことをドローンと呼んでいた。そこから意味が広がって無人の飛びモノ全般を指して呼ぶようになったのだろう。
 ちなみに、droneという英単語には「のらくろ者、居候」という意味もある。しかし、これは無人の飛びモノと関係なさそうである」(「はじめに」より)

という。特に「蜜蜂が立てる羽音」という意味が良く通じる。私自身ドローンは見たことはないのだが、ドローンが飛ぶ音が、あたかもその音に似ているのかもしれない。
また本章では「UAV」も取り上げている。簡単に言えば「Unmanned Aerial Vehicle」の頭文字を取ったもので、「無人航空機」と言う。ドローンもその「UAV」の一つに入る。

第2章「民間におけるさまざまな活用事例」
ドローンは軍事的に使われたことが始まりであり、使用事例も軍事では圧倒的に多い。しかし民間でもドローンの活用が進んでおり、軍でも使われる「空撮」のみならず、宅配サービスなどでも使われているのだという。

第3章「軍事分野では標的機から偵察機へ」
第1・2章でも取り上げたように、元々ドローンは軍事用だった。それが民間でも使用されるようになり、ドローンが幅広く使われだしたのだが、もっとも軍事においてはどのように使われていったのかと言うのを知る必要がある。主な用途としては「情報収集」や「監視」、さらには「偵察」と言ったものがあり、そういったことに特化したドローンも本章にて紹介されている。

第4章「対テロ戦と武装化UAVの登場」
しかし軍事的に使われるドローンは偵察ばかりではない。偵察をしながらレーザービームを照射したり、自爆をしたり、攻撃をするようなドローンも出てきて、波紋を呼んでいるのだという。

第5章「無人化を可能にする技術」
そもそもドローンは「UAV」の一つであり、無人で飛行するものである。その無人化を可能にした技術として何があるのだろうかというのが本章である。ある意味「ラジコン飛行機」を連想してしまうのだが、実際は「自立制御」も可能であり、単にラジコンだけとは言い切れない部分があるのがドローンの中にはある。

第6章「UAVを取り巻く諸問題」
このドローンを含めた「UAV」は技術革新の結晶の一つと言えるのだが、最初にも書いたように「官邸ドローン事件」を発端とする「ドローン規制」が挙げられる。最近では民間でも使われるようになっただけではなく、個人でも簡単に手に入ることから、ドローンで撮影し、YouTubeなどの動画共有サイトに投稿するというような話もある。
しかし問題はそのほかにアメリカでは2015年の7月に、

「米連邦航空局(FAA)が、「コネティカット州クリントン出身の18歳の少年が、拳銃を取り付けて撃てるようにしたドローン(マルチコプター)を製作した件について違法性がないかどうか調査中」と発表した」(pp.156-157より)

という出来事があった。個人で簡単に手に入れることができる分、犯罪の温床にもつながるというリスクも生じており、ドローンの使用そのものを禁止するか、もしくは利用範囲を規制するかと言う議論がある。

第7章「「ドローン・ブーム」の行きつく先」
ドローンによって便利になったもの、これから便利になるものもあれば、第6章にも記したように、犯罪に使われるなどのリスクが存在する。その両方を鑑みて、これからドローンはどうあるべきか、そのことについて取り上げている。

ドローンによって、産業としても、個人としても便利になるツールになるのかもしれない。しかし冒頭でも記した「官邸ドローン事件」のように、ドローンを使用した犯罪を抑止するため、そのものを禁止するか、規制するかでも議論があり、民間・個人でドローンが使用できなくなることさえ考えられる。とはいえど、ドローンが出てきた、そして民間・個人でも使われるようになったことで、社会はどのような変化が起こるのか、それはこれから見ていくほかないといえる。

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