チームの力―構造構成主義による“新”組織論

ビジネスにしても一人で行えるようなものもあるのだが、多くのビジネスはだいたい2人以上のチームを組んでないと立ち行かなくなるものが多い。そこでチームをどうやって作るかである。もちろんチーム作りは千差万別とあり、形も異なってくるのだが、チーム作りの基本的なプロセスはどこも一緒である。そのチームを作るにはどうしたら良いのか、そしてチームを作ることでどのような力が生まれるのか、そのことについて取り上げている。

第1章「なぜ未曾有のチームができたのか」
著者は2011年4月に「ふんばろう東日本支援プロジェクト」と呼ばれる日本最大の総合支援プロジェクトをつくり、成長させたことで知られ、それが数々の賞を受賞した要因となった。そのことから本章のタイトルに「未曾有のチーム」とつけられた。そのチームはあえて「境界」を設けず、感情を大事にするなど、様々な要因でチームを大きく、それでいて強くなった。

第2章「どんなチームを作るのか―「価値の原理」」
チームを作るにも「目的」がどうしても必要になってくる。もっとも目的達成のための「組織」がチームであるので、目的や理念、ビジョンといったものは明確に、それでいてチームメンバーに伝わりやすいものにする必要がある。ほかにもチームの中心となる「リーダー」と呼ばれる人物はどのような存在であるべきかも本章にて示している。

第3章「ブレないチーム運営―「方法の原理」」
チームを運営するにも様々な工夫がいるのだが、本章ではあくまで「ブレない」ことを基軸にしている。その「ブレない」ものは何か、それは「哲学」であったり、「方法」であったり様々なものがある。それをブレなくするためにはどうするか、「問い」などをかけたり、失敗を回避したりするような方法を伝授している。

第4章「機能するチームとは―「人間の原理」」
チームによっても機能する・していないの差はいったい何なのか、そこには「モチベーション」や「適材適所」などがあるのだが、中でも印象的だったのが「20%ルール」である。これは「自分の時間」を表しており、チームと個人の両方の時間の使い方によってチームが機能する・しないの差が出てくるという。

チームはどこにでも存在する。もしもあなたがチームをつくる、あるいはリーダーの立場となった場合、どのようにチームを運営していけば良いのかの参考材料となる一冊であり、チームはそれぞれなのだが、その基礎・根本を知り、そして運営づけていくためのきっかけとなるのが本書といえる。