昆虫はすごい

「昆虫」と言うと、小さい頃であれば「どんな生き物だろうか」と言うような好奇心が生まれた。しかし今は虫そのものが苦手になってしまったので、昆虫にちょっとでも出くわすと嫌な気分になったり、全力でよけたりしてしまう。そういった人なのだが、こういった昆虫の不思議を知るような本で昆虫を観るのであれば、むしろ好奇心が沸いてしまう、そういった性格なのである。

昆虫には様々な種類存在する。時として私たちの知りえないような昆虫も存在しており、中には研究しつくされていないものまでいる。そのことを考えると昆虫にはあらゆる可能性を秘めており、なおかつ本書のタイトルにある「すごさ」が存在する。本書はその昆虫の可能性とヒトとのかかわりについて取り上げている。

第1章「どうしてこんなに多様なのか」
冒頭にも書いた通り、昆虫は多様である。飛ぶ昆虫もいれば、飛ばない昆虫もいる。有毒な昆虫もいれば、そうではない昆虫もいる。しかし虫すべてが「昆虫」ではない。昆虫にも、そうなるための「条件」がある。本章はその条件について体のつくりを中心に取り上げている。

第2章「たくみな暮らし」
昆虫が多様であるように、昆虫の暮らしも多様である。その昆虫の暮らしとして「収穫」や「狩り」「恋愛」「交尾」「旅」「衣食住」など様々な角度から取り上げている。

第3章「社会生活」
本章では人間が構成した社会に対して、昆虫はどのような立場にて生きているのか、そして昆虫はどのような社会をつくり、育てていったのかを取り上げている。特に本章では昆虫と日本社会とのかかわりの中で農業や牧畜、さらには戦争といったものにも昆虫がかかわっているのだという。

第4章「ヒトとの関わり」
ヒトと昆虫との関わりは深いのだが、同じように忌み嫌われるような関係も存在する。それは虫の種類にもよるのだが、毒を持っていたり、人的な被害を被ったり、あるいは農作物などに被害を及ぼしたりするなど、そういった度合いによるのかもしれない。

本書はあくまで昆虫の本質、そして昆虫とヒトとの関わり方が基軸にあるのだが、本書の冒頭、および文中にある写真にはありとあらゆる種類の昆虫が収録されている(ちなみに冒頭はカラー写真)。ヒトの生き方が多様であるならば、昆虫は種類も含めてさらに多様であることを本書でもって知らしめたと言える。