「学問」はこんなにおもしろい!―憲法・経済・商い・ウナギ

社会人には「教養」が必要だということはいろいろな本や雑誌で取り上げられており、私自身もその通りだと思うのだが、実際どのようにして教養を身につけたら良いのかわからない方も多いし、もっと言うと教養を身につけるのは難しいのではと考えている人もいるように思えてならない。本書はそういった方々、特に後者のことを思っている方々のために教養を身につけること、そして教養そのものの面白さについて各先生の観点・学問から説いている。

第1章「木村草太先生に“法学的考え方”を学ぶ」
木村草太氏は憲法学者で、首都大学東京の教授を務めている(本書では准教授となっているが、今年の4月に教授となった)。その木村氏がなぜ憲法学者を志したのか、そして憲法学者として法学的な考え方とは何か、そして今の社会と日本国憲法との関係はどこにあるのかそのことを取り上げている。

第2章「青山潤先生に“ウナギ”と“海洋学”について学ぶ」
ウナギをはじめとした海洋生物、あるいは海洋そのものの研究を行っている東京大学教授の青山潤氏は就職活動から、海洋研究をスタートしたきっかけ、そしてウナギの現状について聞き出している。

第3章「安田洋祐先生に“経済の本質”を学ぶ」
経済を勉強していくと、ごく最近の経済政策の良し悪しであればわかりやすいが、「経済学」そのものを読み解いていくと、理解できないところも多々ある。
私事はさておき、本章では経済学者の立場から、経済とは何なのか、その本質を紐解く一方で、経済学を学ぶ際の良書を紹介している。

第4章「松井剛先生に“マーケティングは儲けティング”の真意を学ぶ」
一橋大学の教授である松井剛氏はマーケティングを専門にしている。本書で取り上げられている様々な教養の中でも最も身近な学問であるのだが、本章のタイトルにある「儲けティング」となるのか、そのことについて「商学」の学問そのものとともに取り上げている。

冒頭で書き忘れたのだが、本書は版元である星海社の編集部の方々が4人の学者にインタビューを行い、それぞれの学問の本質を取り上げている。もちろん編集者はそれぞれの学問は多少かじっているものの、初心者と言っても過言ではない。そのような中で学問を解き明かすことによって、教養を身につけること、教養が面白いことを示している。