創造性とは何か


ビジネスの中でも「創造性」は必要な要素なのだが、本書はその「創造性」はどのようにしてできるのか、そしてその創造性と相対するのは何なのかを原理の面から説いている。そのため「創造性」と言ってもビジネス的な創造性を身につけるわけではなく、本書のタイトルにあるような「創造性」の本質を迫りたい方にとって適した一冊である。

一「創造的行為の本質―保守性と創造性という二つの原理の対立と循環」
「創造的行為」と言ってもビジネスでいう所の「クリエイティブ」の仕事を言っているのかと言うと、実はそうではない。本章にて取り上げられているのは仕事そのものと「チームリーダー」の立場から見た「創造」とは何かについて迫っているに過ぎない。

二「創造的行為の内面世界―創造的行為は、どのような過程を経て進行するのか」
本章ではデカルトの哲学を中心に「創造性」、そしてその行為について考察を行っている。もちろん中にはビジネスの要素も含まれているのだが、本章はあくまで生きていく中で出てくる森羅万象を対象としている。

三「創造的行為の全体像―天命の聞こえてくる人、こない人の違いとは」
本章では「KJ法」が取り上げられている。「KJ法」とは、

「データをまとめるために考案した手法である。KJは考案者のイニシャルにちなむ。
 データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、図解し、論文等にまとめていく。共同での作業にもよく用いられ、「創造性開発」(または創造的問題解決)に効果があるとされる」Wikipediaより)

とあり、著者が考案した方法である。元々フィールドワークのために用いられた方法だが、経営工学の場でも使われるなど、ビジネスともほど近いところで使われている。しかし著者はその「KJ法」について誤った使われ方をしているのではないかと危惧しており、どのような危惧か、そして本当の「KJ法」の使われ方を語っている。

四「「伝統体」と創造愛―創造愛の累積によって、組織は伝統体となる」
「創造的行為」をすることによってどのような変化を辿っていったのか、そしてそのことによって「組織」はどのような変化を起こすのか、そのことについて取り上げている。

本書は今から23年前に出版した「創造と伝統」の中から一部を抜き取り、新書化したものであるという。もっと言うと著者の川喜田二郎氏は2009年に逝去した。その没後著者が遺したものの中から、現在にも通じるものを祥伝社が取り出したのかもしれない。

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