日本の女性議員―どうすれば増えるのか

女性の社会進出は今も進んでいる。もちろん国会や都道府県・市町村の議会議員も女性議員が次々と誕生し、女性の首長・国務大臣も誕生してきている。しかしそれでも日本は他の先進国と比べても遅い方であるという。そのような状況の中で女性議員を増やすにはどうしたら良いのか、その歴史ともに取り上げている。

第1章「女性が議員になるということ」
日本の女性議員は全体の10%ほどであるという。これでもだんだんと増えてきているのだが、それでもなお少ないという。そのことを考えると昔からずっと女性議員は少ない、あるいはいないというイメージを持たれるのだが、市川房枝といった女性議員も存在した。さらに言うと戦後間もない時には女性議員の候補者・当選者も現在ほどではないのだが、多かったのだという。ところが、だんだんと経済が上向きになり始めたときから、女性の候補者・当選者も少なくなっていったという。その要因として「ジェンダー・バイアス」があるのだという。

第2章「躍進の90年代」
しかし85年の「男女雇用機会均等法」の成立、そして89年の「マドンナブーム」と社会・政治両方の観点から女性の活躍が目覚ましいものになっていった、そのことから90年代は「躍進」と呼ばれるような時代になっていった。

第3章「2000年以降の停滞」
しかし自民党がいったん下野し、その後政権に復帰してから女性議員の活躍は停滞の一途をたどっていった。しかし2000年代に入ると小泉政権となり2005年による郵政選挙では小泉チルドレンが活躍した。そのことで女性議員も増えてきたのだが、著者はそれでもまだ停滞しているのだという。

第4章「国会議員への道」
本章では女性が国会議員になるため、というよりもそもそも国会議員になるためにはどのような道をたどっていくのか、男性・女性にかかわらずその経緯について取り上げている。その奥は地方政治家だったり、国会議員の秘書だったり、官僚や政党の役員などが多いのだという。

第5章「女性議員と男性議員は何が違うのか」
そもそも男性と女性の議員としての「違い」はどこにあるのだろうか、はっきりとした違いはないのだが、唯一あるとするならば第1章でも述べた「ジェンダー・バイアス」の意識と言える。その意識は本章に取り上げる統計にもはっきりと示されている。ちなみにそれ以外のものは男性も女性もさほど変わりはなかった。

第6章「地方の女性議員たち」
地方で活躍する女性議員は少なくないのだが、その女性議員はなぜ、どのようにして議員になったのか、どのような活躍をしているのかも取り上げている。他にもどこの地域が女性議員の比率が多いのかについても取り上げている。

第7章「女性が政治に参画するために」
では女性が政治に参加するためにはどうしたらよいか、それは社会そのものが変わる必要があるのだが、かつてあった「女性は家庭」と言った考えは崩れつつあるため、そのことがネックにはならない。一つあるとするならば、私たちのような若者の世代に言えることなのだが、政治に関心を持つことなのではないかと考える。

本書を見てみると日本の女性議員は世界に比べても少ないといえるのだが、それでもだんだんと増えてきている。女性の活躍は女性ならではの視点から政策を組み立てたり、実行したりすることができる面もあれば、ジェンダー・バイアスが解消されるなど女性の議員が増えることこその意味があるのかもしれない。

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