いじめない力、いじめられない力―60の“脱いじめ”トレーニング付

今となってはメディアで「いじめ」は頻繁に取り上げられていたが、25年前までは「いじめ」は実態で起こってはいても、メディアで取り上げられる機会は少なく、認知はあまりされていなかった。私自身が「いじめ」という言葉に出会い、その惨状を初めて知ったのは、「大河内清輝君いじめ自殺事件」である。20数年前の事件であるのだが、この事件はワイドショーでも連日のごとく取り上げられ、それ以降いじめに関する話題も頻繁に取り上げられた記憶がある。

本書の話に移る。いじめがメディアに取り上げられてから、温度差はあれど学校や教育委員会など、教育に関する現場ではいじめに関する対策を講じるようなこともある。しかしいじめを起こさない、そしていじめに関わらないためには子ども・親など様々な観点から対策を行う必要がある。本書はそのためのトレーニングを60個伝授している。

第1章「いじめをどう考えるか」
「いじめ」について考えることは何も子どもと親ばかりの話ではない。教師もいれば教育委員会、さらには地域住民に至るまで範囲が及ぶ。しかしどのようにして考えるのかわからない方も多い。そのために本章では、「なぜ人はいじめをするのか」、国がいじめに対してどのような提言を行ったのかを取り上げている。

第2章「学校では教えてくれない、いじめに関わらない力を身につける」
本章では具体的ないじめのケースを12個取り上げながら、どのような教訓があったのか、そしてもしも同じようなケースにあったらどのような対策が必要か、そしてそれをどのようにトレーニングしていけば良か、本書ではトレーニングを60個取り上げているとあったが、1ケースにつき3つ、さらに応用も含めると4つ収録されているので、合計で48個のトレーニング方法がある。どのようなトレーニングがあるのかと言うと言葉(語彙など)を増やす、自分自身を理解する、将来の夢を明確にするなどケースによって様々である。

第3章「うちの子、こんなだから、いじめられるの?」
親から見て子供がなぜいじめられるのか、逆になぜいじめるのかそのことを親の観点から疑問を呈し、その疑問に対して子どもはどのような気持ちなのか、そのことについて取り上げている。

本書はトレーニングを60個取り上げられていると書いた(サブタイトルにもあった)のだが、実際に見てみたところ48個しかなかった。残りの12個はどこにあるのか、トレーニングとは標榜していなかったものの、その悩みにこたえる、あるいは考えることもまたトレーニングとして挙げられているのではないと思えてならない。

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