レモンケーキの独特なさびしさ

レモンケーキは食べたことはないのだが、ケーキならではの甘みとレモンの酸味がうまく融合して大人の甘みを醸しており、私好みの味のような想像をしてしまう。そう考えてしまうと一度でいいからレモンケーキを食べてみたいと思っている。

しかし本書を見るとそのレモンケーキを食べた少女は「説明のつかない味」を体験したのだという。そのケーキをつくったのは母親で、母親のケーキづくりが下手なのか、それともたまたまそのケーキが不出来だったのか定かではない。しかし少女はそのケーキには「さびしさ」があるのだという。

「さびしい」味は私自身も体験したことがないのだが、本書の主人公である少女は作り手の感情について料理を通じてわかるのだから驚きである。そのことを考えると少女には真心のこもった料理にいつも提供する必要がある。そう考えると容易ではない印象である。

本書の話に戻す。この「さびしい」感情にはその少女の家族の事情があった。その事情とは一体何か、それについて少女が迫っただけではなく、それに触れたことによる成長をしていく少女の姿を描いている。

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