考え方の教室

「考える」ことは人間に脳や理性がある以上、当たり前のように行っている。しかしその「考える」を意識的に行っていくためにはどうしたらよいのか、それをどのように行ったらよいのかわからない方もけっこう多く、私自身もそのようなことに陥ったことがある。そのような状況から脱するために、どのようにして「考えて」いったらよいのか、その「考える」ことを行う、そして鍛えるためにはどうしたらよいのか、本書は「教室」という形で伝授している。

第1回「まずは、楽になる―準備ストレッチ篇」
まずは思考を楽にするためのストレッチとして「クリエイティブ」の考え方、さらには「知識」という名の荷物を積み下ろしたり、問題を細かく切り分けたりするようなストレッチ法を紹介している。

第2回「ともかく、やってみる―最初のチャレンジ篇」
ストレッチを行った後、どのように考えたらよいか、本章では「ベストテン」という番組を見立てて取り上げている。

第3回「ダマされたと思って、手を動かしてみる―身体を使う篇」
「思考」というと頭だけを使うのかと思いがちだが、実は体も思考道具の一つである。その「体」をいかにして使っていくのかを取り上げている。

第4回「魔法の言葉を唱えてみる―誰でもできる篇」
思考の着火剤は数多くあるが、たった一言での言葉だけで一気に思考のスピードが上がることがある。本章ではその一言と、唱えることの重要性を説いている。

第5回「発想力を、きたえてみる―「遊び」に学ぶ篇」
「発想」や「アイデア」は力を振り絞って出てくるようなものではなく、むしろ遊びながら出てくるようなこともある。本章ではそのことを取り上げている。

第6回「違った目で、世界を見る―「スタイル」探し篇」
スタイルと言っても身体や服装のことを言っているのではなく、いわゆる思考の「クセ」についてを取り上げている。

第7回「過去も未来も、見晴らしよく―系譜の試み篇」
思考は地続きのようなものであり、過去に起こったもの・こと、そしてこれから起こるようなもの・ことを考えるということを取り上げている。

第8回「無理やり、一人二役してみる―ジキルとハイド篇」
「ジキルとハイド」はあまり気にしなくてよく、むしろ「善と悪」といった二項対立、そして正反対の意見などを比較することを取り上げている。

第9回「異質なものと、ぶつかりあう―他人と話そう篇」
他人は意見も価値観も常識なども異なるのだが、そのことなるものの中で重なり合う部分もある。その重なり合う部分を見つけるだけではなく、すり寄ることも取り上げている。

第10回「ひたすら、「なぜ?」と聞いてみよう―止めたら負けよ篇」
トヨタにおける「カイゼン」では最大5回「なぜ?」を問うという。それに倣って回数は異なれど、何回も「なぜ?」と問うようなところも多い。「なぜ?」と問うことの重要性とは何か、どのように「なぜ?」と問うたら良いのかを本章にて伝授している。

第11回「外へ、ひらいてみる―声を届けよう篇」
質問にしても、対話にしても考えていること、思っていることを声に出すことが必要である。その声に出すことの重要性について本章にて説いている。

第12回「一歩ずつ、進んでいく―段取り力向上篇」
考えていくにも段階が必要である。その段階をどのように進めるのか、その手法とゴール設定について取り上げているのが本章である。

第13回「「胆力」をもって、判断する―「決める」コツ篇」
思考にも簡単に終わるものもあれば、根気のいるようなものもある。その中でも特に後者の場合は、非常に重要な場面になり、思い切った決断が必要な側面もある。その決断を下すために「胆力」が必要になるのだが、その使い方について伝授している。

第14回「柔軟に、修正していく―思考は続くよ篇」
思考は柔軟性が要求されるようなことがある。しかしその柔軟な思考はどのようにして行ったらよいのか、そのことについて取り上げている。

第15回「直感を、働かせる―めざせ「思考の達人」篇」
思考と言っても頭で考えるだけではなく、直感もまた思考の一要素になる。頭・体・直感をいかにして思考を練っていくか、そのことについて取り上げている。

考え方は様々であるが、様々ある考え方を用いて思考を練っていくことが必要である。思考法というとビジネス書でも数多くあるのだが、本書はその中でも「基礎の基礎」の立ち位置から、人はどのように考えていけば良いのかそのことを教えてくれる一冊である。