ちちんぷいぷい

本書のタイトルにあるようなおまじないや呪文をかけた方は少なからずいると思う。自分自身もそういった呪文をかけたことがあるのだが(あくまで幼稚園の時代の話である)、本書はそういった呪文を題材にしているのではない。

ではどのようなものかというと、東京の片隅に生息している幽霊50体といった方が良いのだろうか。しかし幽霊と言っても、誰にも知られることのなく、陰湿な佇まいの印象を持ってしまうのだが、自分自身が死んでいることすら全く忘れていながら、人間くさいしぐさや行動を起こすような方々を映し出している。

ある幽霊はサラリーマン、ある幽霊は女優、ある幽霊はタクシー運転手と、幽霊によって様々であり、物語も様々である。本書はその幽霊1体ずつ取り上げており、短編集というよりは「ショートショート」と言えるような内容である。

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