使える行動分析学―じぶん実験のすすめ

世の中には様々な「分析」がある。その分析の中でも「行動分析学」というとフィールドワークなどの研究が必要になってくるのだが、その実験を自分自身で行うことができるのだという。その実験を通じて、自己分析を行うことができ、なおかつ変化できるきっかけをつくることができる。本書はそのことと、実験方法について取り上げている。

第一章「じぶん実験と自己理解―自分の行動の理由を知る」
「行動分析学」は簡単には「心理学」の一つであり、行動の中にどのような心理があるのかを分析する学問のことである。その学問は人の行動をもとに検証することが不可欠なのだが、本書はあくまで実験対象は自分自身、そのため「じぶん実験」と銘打っている。自分自身の行動を分析する「じぶん実験」がなぜ効果的なのか、その理由についても取り上げている。

第二章「行動分析学と自己実現―自分の行動を変える」
この「じぶん実験」でもって自己実現につなげることができるのだが、自分自身の行動を客観的に分析することによって、長所・弱点・欲求などを見ることができ、自己実現に向けてのプロセスも見えてくるようになる。

第三章「じぶん実験レポート―他人のじぶん実験に学ぶ」
では「じぶん実験」はどのような流れで行ったらよいのか。本章では「じぶん実験」の具体的な用語解説のほかに、どのような実験を行ったらよいのかその概要について、他人が行ってきた「じぶん実験」とともに取り上げている。

第四章「じぶん実験の進め方」
「じぶん実験」をするに際し、目標といったゴールを設定必要がある。そしてそのゴールを目指すべくどのような行動をターゲットにし、分析をしていくのか、その具体的な方法について取り上げている。

第五章「広い「じぶん実験」の適用範囲」
「じぶん実験」は行動すべてが適用になるわけではない。ではどのようにして適用を行ったらよいか、その範囲は「骨を鳴らす」や「改札を通る」といった細かい行動まで実験範囲に及んでいるという。一つ一つの行動を細かく分析し、その改善点を見出すことによって、行動の変化を起こすことができるという。

本書は「行動分析学」を自分自身の行動でもって実験を行うというものだが、実験を行うことによって自己実現や自己成長につながることから、ビジネス・自己啓発の観点から使うことが可能である。決して学者がやるような実験ではなく、自分自身で手軽にできるというのも本書の醍醐味といえる。