憲法って、どこにあるの? みんなの疑問から学ぶ日本国憲法

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼
憲法が施行されたのは1948年5月3日。それから68年以上にわたり1度も改正されることなく、現在も使われている。改正はされていないとは言えど、解釈の変更は何度もなされているが、憲法はどこに、そして何のために存在するのか、7月10日に参院選が行われる前の復習として本書を見ていこう。

第1章「憲法って何?」
元々日本国憲法はGHQの指示によって改正されることとなったが、もともとあった大日本帝国憲法を少し修正したものだったのだが、しびれを切らしたGHQは「総司令部案」を持ち出し、そこから憲法草案がつくられた。それが修正に修正を重ねて現在の日本国憲法ができたというのである。

第2章「暮らしの中の憲法」
暮らしの中には憲法が絡んでいる部分もある。それは選挙もあれば、選挙権、表現の自由や生存権、幸福追求権などがある。それぞれの権利・義務の中で出てくる権利が担保されるのか、そして濫用にあたるのかという疑問について著者の観点から答えている。

第3章「男と女の憲法」
男女関係というと「婚姻」などが挙げられるのだが、婚姻の定義についても憲法にはあるが、あまりそこに関しては「権利」などによって括られている。むしろそれらについて定義されているのは民法の中でも「家族法」と言ったところにあたる。ほかにも性的なマイノリティやハラスメントといったことに対して憲法はどのように解釈されるのかについて言及されている。また本章には以前「無戸籍の日本人」にて取り上げた日本人の無戸籍問題にも憲法の観点から言及している。

第4章「世界と日本の憲法」
おそらく日本国憲法の根幹の一つにあたる領土の在り方、そして安全保障や自衛権の在り方を取り上げている。日本という国を守るために憲法があるのではなく、憲法をどのように解釈を行うことによって日本を守っていくのか、それは自衛隊の在り方とともに論じる必要がある。

私自身は憲法自体変える必要があるのだが、それ以前にそもそも今の憲法のままでよいのか、一度国民の投票に託したほうが良いのではと思う。そもそも国民主権であるのだから、憲法は国民のものである。そのことを考えると国民のあずかり知らぬところで決められた憲法を、あずかり知らぬところで議論され、それで決定されてしまったのであれば、いったい誰のための憲法なのか。それは護憲・改憲問わずに議論をするいわゆる「論憲」を国民一人一人が行っていく必要がある。その一意見として本書があるのではないだろうか。